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戦略立案での『言葉』の取り扱い方〜機能しない経営戦略の特徴 〜

【伝わらない戦略で会社は崩壊する】
実践的な戦略の要素と作り方を公開します

〚 この記事で得られるモノ 〛
• 戦略立案スキルが上がります
• 成功する戦略の考え方が学べます
• 具体的な作成テクニックが身に付きます

〚 この記事の結論 〛

• 言葉の受け取り方は千差万別である

• 全社員が共通イメージを持てる言葉を選ぶ

• 抽象ワードは言語化あるいは定義する

〚 はじめに 〛

 今回は、戦略の取り扱いの話です。
会社運営には欠かせない要素ですが、特に日系の大手企業はここが非常に弱い印象を受けます。
IR資料でも戦略と謳いながら中身はそれとは程遠い仕上がりというのも少なくありません。
要するに、「世の中の会社の多くが戦略と思って描いているものは戦略ではない」ということです。

戦略立案に関するテクニックは多くありますが、今回は「言葉の取り扱い」について取り上げたいと思います。


〚 横文字バズワードで会社は崩壊する 〛

「当社はビッグデータマーケティングカンパニーを目指します!」

「デジタルプラットフォーマーになります!」

「1to1コミュニケーションを強化します!」

 こんな言葉が戦略資料にはふんだんに盛り込まれていますよね。

担当者が戦略を考える過程では、喧々諤々と様々な議論がなされて、お客さまの行動や自社の歴史的な背景なんかも整理し、マクロトレンドも勉強したりと、かなり多くの時間を割いています。

そうして完成された戦略は何故か横文字だらけ。全社通達や説明会を通じて全従業員へ共有されたとしても「全く機能しないで終わり」、なんてことになってしまう会社が散見されます。

 こうした機能不全に陥っている戦略の下では、業務が進まないのはもちろんのこと、各部署がバラバラに全く違った方向へ進んでしまうこともあります。

経営者も含めて一度決めた戦略を遂行しようと真面目に突き進んだ結果、数年後にはもう取り返しがつかないところまで事業は弱体化しているかもしれません。


〚 言葉の受け取り方は千差万別 〛

 戦略立案の過程では、多くの関係者が議論を重ねて、多面的に考え抜きました。

それを綺麗な言葉にまとめようとすればするほど、抽象的で総花的なキーワードになってしまいがちです。

そうして出来上がった美しい言葉は、聞き手によって様々な解釈をされ、戦略の発信者の想いはたちどころに泡となって消えてしまいます。

 例えば、「顧客データを活用したデジタルリテーラー」という戦略を例に挙げてみます。

顧客データ」と聞いて、具体的にどんなデータをイメージしますか?

氏名、性別、年齢、住所、家族構成、年収、購買額、趣味趣向、来店頻度、職業、学歴

軽く挙げるだけでもこれくらいになります。

また、「データ活用」と聞いて、どんな活用方法を思い浮かべましたか?

品揃え、DM、広告配信、データ販売、営業手法の変更、会員メニューの改善

これくらいは出ますよね。

 何が言いたいかというと、「顧客データ」も「データ活用」も言葉の意味には幅があるということです。

言葉をどう受け取るかは受け手の価値観やバックボーンに左右されますから、戦略立案の過程がどれほど素晴らしく完成した戦略がいかに秀逸であるかは、全く関係がないということです。

「全従業員が共通認識を持てているか」が重要ということです。


〚 戦略とはやらないコトを明確にする羅針盤 〛

 悪い戦略は「何を捨てて何に集中するか」が具体化されていません。

さらに悪なのは「どう行動するかは現場に権限移譲します。現場主体で考えなさい」というような、主体性という正義を掲げた経営の舵取りです。

一人ひとりが真剣に考えて真面目に取り組むほどに、そのアウトプットは統一感の無いものとなってしまいます。

顧客データを活用する」ならば、「どんなデータをどのように活用するのか」までを明確に定義して、そこにハマらないデータや活用方法は切り捨てることを明言すべき、なのです。

 良い戦略は「やるコトとやらないコトが明確」です。

「良い戦略」の要素を挙げてみます。

• 言語の意味が具体化されアクションに落とし込めている

• 経営指標と連動しKPIが設定されている

• ビジネスモデルあるいは収益構造が可視化されている

• 戦略の前提条件として外部環境と内部環境が定義されている

• 活動範囲のスコープが明確である

• 目指すべきターゲットが明確である

• なぜ勝てるかの根拠が明確である状態

 この要件が満たされることで始めて「戦略」と呼べる水準に達したと言えるでしょう。

 戦略とは、戦争においては「いかにして勝つか」ですから、事業においては「いかにして儲けるか」が明確であることに視点を置くべきだと考えます。

 それぞれの要素を満たすための具体的な設計方法について、、


続きの記事、作成中。

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vol.59

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