折り紙
最奥部の憂鬱をたんと味わっているわたしは、
涙を拭いてくれるその手をつかめずにいた。
わたし以外誰も傷つけたくなくて、
敢えて手首ではなく二の腕につけた傷跡。
毎日悪夢を見るんだ。
わたしに染み込んだトラウマは一度折ったら
開いても二度と跡が消えない
折り紙のようだった。
死にたいけれど死ねずに、
現世にぷかぷかと浮かんでいる。
海月のように美しくなれたらいいのにな。
わたしの汚い部分まで透かしてみて、
それでも嫌いにならないでくれる?
お互いに命のタイムリミットが
少しずつ、少しずつ
迫ってきているのにも気が付かずに、
君はわたしの前で笑ってくれた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?