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中古リノベに憧れるから、取材が楽しくて仕方ない。

この春、息子が無事保育園に入園したのをきっかけに、ライター業務を積極的にやっていきたいなと思っています。

妊娠するまではメインの仕事の傍ら、副業的にライターをやっていたので、主な仕事はWEBマガジン「greenz.jpのみでした。

上記リンクは私の書いた記事一覧ですが、最新の記事2つは、悪阻と闘いながら取材・執筆をしたものです。妊娠中は文章を書く力が自分でも信じられないくらい衰え、書く仕事に苦戦しました…。なぜなのでしょうね?人体の不思議です。現在は、greenz.jpでは主に裏方である編集のお仕事をしています。

そんな状況を挟みながらも、妊娠前から継続的にお仕事をいただけている会社さんがあります。神戸市に拠点を構えるリノベーション会社フロッグハウスさんです。

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中古マンションや中古戸建、公共施設まで、古い物件を”いい味を残したまま”とても素敵な物件に生まれ変わらせている会社さんです。スタッフのみなさんだけでなく、施主さん・賃貸物件のオーナーさん・賃貸の入居者さん…会う人みんなが素敵な人ばかりで、大好きなお仕事の一つです。

コロナ禍で予定していた取材が延期になってしまい、もやっとしている今なので、今日はこの、中古リノベ物件の取材のお仕事について、自分の中での整理もかねてまとめたいと思います。

1.フロッグハウスさんとの出会い

NPO職員だった頃、”地域のつながり”に注力していたので、お勉強をかねていろんなコミュニティに顔を出していました。ある日、参加した播磨町の団地「コーポラスはりま」のイベントで、フロッグハウスの代表さんを紹介されたのがきっかけでした。

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この団地のリノベーション物件を手がけたのもフロッグハウスさんでした。代表さんの話を聞くと、”中古リノベの魅力”をもっと発信していきたいという思いが強く、「ライターを探している」ということでした。

幸いなことに私は、元の仕事がインテリアの商品企画で、注文住宅で家を建てた直後というタイミング。インテリアコーディネーターの資格勉強も一通りしていたので(試験に受かってないだけ…)触りだけですが知識があります。何より、元々”中古リノベ”に興味があったので、「ぜひお仕事させてください!」という流れに。

後日さっそく、神戸市垂水区にあるフロッグハウスさんの事務所を訪ね、打ち合わせ。お仕事が始まることになりました。

2.オーナー×賃貸入居者×リノベ業者の“三位一体”を書く

この頃、フロッグハウスさんが注力されていたのは”古い賃貸マンションのオーナーさん”への「おこのみ賃貸」というパッケージの営業でした。

事務所のある垂水区のあたりは、大阪への通勤に便利な高速道路のICもあるベッドタウン。地主さんが、高度経済成長期に農業をやめてマンションを建て家賃収入を得る、というスタイルがとても多かったそう。

時が経ち、現在はそれらが”築40年級”の賃貸マンションに。時代と共に入居者の条件と合わなくなり、家賃を下げたり空き部屋ができてしまったりする悩みを抱えているオーナーさんが多いので、「リノベーションをすることで物件の価値をあげられる」ということを伝えていきたい、ということでした。

それを伝えるためにどうしたらいいか…夜遅くまで盛り上がった打ち合わせの結果、「物件オーナー×賃貸入居者×リノベ業者の“三位一体”」という壮大なテーマでインタビューを書くことに。

出来上がった記事がこちら。先に言っておきますが、読みにくいです…この構成にしたことを反省しています…。(よし、 近日中にフロッグさんに新しい構成の提案をしよう…。)でも、この記事のみなさんの言葉から、”中古リノベってええやん”という感想を抱かずにはいられないはず。

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この「グリーンハイツ松本」のリノベ後のお部屋、「フリーウォール」という入居者が自由にDIYできる壁が1面あるんです。これまで数々の賃貸を渡り歩いてきた私ですが、「住みたい!住みたい!」と連呼したくなるような素敵なお部屋でした。

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3.持ち家としての”中古物件リノベ”を取材

その後妊娠が発覚、悪阻で苦しんでいたため間があいてしまったのですが、お腹が大きくなった頃にご依頼いただいたのは、持ち家として中古物件を購入し、フロッグハウスさんでリノベをした施主さんの取材記事。

団地だったり、マンションだったり、一戸建てだったり…個人の持ち家として、新築物件を選ぶのではなく”中古を買って自分仕様にリノベーションする”という選択肢を多くの人に知ってもらう、という意図で記事を書くことになりました。

まずは神戸の高倉台団地のKさま。賃貸で住んでいた物件をそのまま購入し、奥さまの”好き”をふんだんに詰め込んでリノベーションを実現されています。

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こちらは明石市で一戸建リノベを実現されたご一家。入居後も毎週末「さあ、今日はこれをしよう」とDIYで家のあちこちに手を加えられていて、とても楽しく暮らしているのが印象的でした。

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そして今年3月、久々に取材させてもらったのがこちら。明石市の中古マンションリノベをされた双子の女の子がいるご一家。奥様の”木への愛”が家中に溢れている御宅でした。

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持ち家として中古リノベを選んだみなさんに共通するなぁと私が感じるのは、”家へのこだわりが強い”という点。それゆえに、みなさん口を揃えておっしゃるのは、「中古リノベは、低予算で自分のやりたいことを実現できる」ということ。

注文住宅を新築した身なのでよくわかるのですが、注文住宅ではやりたいことを取り入れるほどに金額が跳ね上がってしまいます。なので優先順位をつけ、いくつかの理想は夢で終わります。それに対し、お話を伺った施主のみなさん、「やりたいこと全部できた!」と納得・満足・感動と三拍子揃ったお顔をされていて、すごくうらやましくなります。

こだわりを全部叶えたい人ほど、中古リノベはぴったりなのだろうな、と思います。

4.明舞団地の「リノベ学校」にまつわる連載記事

フロッグハウスさんの紹介で、兵庫県の住宅供給公社さんよりお仕事の依頼を受けることとなりました。神戸市と明石市にまたがって広がるニュータウン「明舞団地」に関わる連載記事の執筆です。

ちょうどお声がけをいただく少し前にgreenz.jpで「泉北ニュータウン」に関わる記事を執筆しており、担当者の方がその記事を読んでくださり、ご指名をいただけたようです。

テーマは、明舞団地の入居率を上げるべく、団地リノベを推進しようと兵庫県が企画した「明舞リノベ学校」。団地暮らしに興味を持つ人が集まり、一人の施主さんのリノベを計画段階から見学し、一緒に考え、体験してみる、という企画でした。

それをきっかけに明舞団地で暮らすことをWEBで訴求していきたい、ということで、リノベ学校のレポートに加え、明舞団地で暮らす魅力を訴求する記事をつくることになりました。

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記事は全部で6つ。妊娠後期からスタートし、メインの「リノベ学校」が佳境を迎える頃には私は出産のため里帰り…。そのため、帰省前に現地を案内してもらって明舞の魅力を伝える記事を書き、「リノベ学校」レポート記事については担当者さんの報告書を見ながら、生まれたての我が子が寝ている横でせっせと書きました。そして兵庫へ帰ってから、実際にリノベ物件を取材し施主さんインタビュー記事を仕上げて完了、という流れでした。

産後の体調がとにかく良くなく、精神的に参っていたので、このお仕事は最高の気分転換になりました。担当者の方にはお気遣いばかりいただいて、本当にありがたかったです…。

このリノベ学校が成功し、今年はあの「リノベーションスクール」を呼んで大々的にやるようなので、今後の展開も楽しみに見守りたいと思います。

5.「絶対に叶えたかった」より「やっちゃった!」が家の個性に

取材でリノベ物件のお宅訪問をする際、初めての出会いにいつもドキドキしながらも、心の底から楽しませてもらっています。

「これだけは絶対に叶えたかったんです」

みなさんそういうポイントを必ず1つ持っていて、そこについてお話しされるときは、誇らしげというか、達成感に満ちているというか、本当にいいお顔をされています。しかも、みなさん全然「これだけ」じゃなく、他にもこだわった箇所が家中にあるんです。

私はもしかすると、毎回この”他にもこだわった箇所”を見せてもらうのを一番楽しみにしているのではないかなと、ふと気付いたのです。

”絶対に叶えたかったこと”は、新築でも叶えていたことかもしれない。でも、低予算でやりたいことをふんだんに盛り込める中古リノベだからこそ取り入れた”他の場所”には、施主さんの遊び心を感じることが多いのです。

奇抜な柄の壁紙を採用したり、家の中にターザンロープを垂らしたり、自身で購入したアンティークの窓枠を壁にはめ込んだり…。”絶対”ではなかったけど「おもしろそうなのでやっちゃいました!」という箇所こそ、個性を最大限に発揮していて、その家の”味”をつくっている気がします。

予算が低く抑えられるということは、高額のローン返済に長年縛られる人生ではない、ということ。中古リノベを選ぶ人には、今の家を「終の住処」とは捉えていない人が多い印象です。遊び心を気軽に盛り込む背景には、そんな点もあるのかなと思っています。

高額のローン返済に長年縛られる人生を選んだわが家には、やっぱり大胆な”遊び心”があるわけではないんです。そして私はやっぱり”古いものを新しい価値あるものに生まれ変わらせる”ことの魅力に惹かれて仕方がないのです。するとやっぱり、「ああ、私も中古リノベをしたい…」という、きっとかなわない夢を抱いてしまうのです。

これからも、いろんな方のこだわりのお城にお邪魔し、たくさんの刺激をいただいて、夢をますます膨らませていこうと思います。

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