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女ひとりインド②電車旅、デリーからアグラへ。

インドへ着いて3日目、私はデリーからアグラ(タージマハルがある街)へ行く電車に乗るため、駅へ向かった。
「インドって電車何時間も遅れるんでしょ?」
「インドって人が電車に乗り切れなくて溢れてるんでしょ?」
そんなイメージがある人も多いのではないだろうか。
かくいう私もそんな情報をよく耳にしていたので、真偽は不明だがある程度の覚悟をもって旅に臨んでいた。
インドの電車は何番線に向かえば良いか、自分の乗る車両はプラットフォームのどこらへんに来るのか、駅に着いてみないとわからない。
駅に着いて電光掲示板を見て、自分の乗る電車のプラットフォームを確認し、駅へ入場。
言葉もわからない、自分以外日本人らしき人は全然いない、むしろインド人しかいなくてジロジロ見られる。
本当にこれで合っているのか・・・?電車は時間通りに来るの・・・?不安になりながらプラットフォームで電車を待った。

拍子抜けしちゃったインドの電車

40分前くらいに、自分が乗る電車が来て早速乗り込んだ。
電車の中は覚悟していたにも関わらず、だいぶきれいだった。
さらに時間きっかりに出発。
遅れると聞いていたのに、笑っちゃうくらい拍子抜けだった。

インドの新幹線的な電車

出発後、すぐにペットボトルの水が全員に配られ、さらに車内食まで!
これがとてもおいしかった。正直言って全く期待していなかったため・・・。
右下の食べ物はコロッケみたいな感じ?やや辛めでおいしかった。
このあとチャイも配られたよ。

よい朝食でした。

インド人の乗客たちは到着のだいぶ前から降りる用意をして、ドアの前にスタンバイしているため、アグラが近づくと私もそれを真似てドアの前で待った。
まだ駅に着いていないのに先頭の乗客がドアを開ける。(ていうか、開くの?!)
だいぶせっかちだ。
みんな新幹線のドアを想像してみてください。
全開の降り口の前に人がぎゅうぎゅう。
まだ全速力で走っているので誤って落ちたら死にます。
先頭の人は飛び降りんばかりの勢いでドアの前ギリギリに立っているのでハラハラした。
さすがにフライング下車はせず、ちゃんと到着してから降りていました。
そんなわけでアグラには時間通りに到着。
どうやら私が乗ったガティマンエクスプレスという電車は基本的に時間通りに運行しているみたいなので、インドの電車が遅れるというのは間違いではないみたい。

インド人を信じるか、信じないかは自分次第

駅を出るとリキシャの客引きがすごかった。
UBERで呼べば良いのだが、すごい人だし暑いし一刻も早くホステルに行きたかったので一番に話しかけてきた人のリキシャに乗ることにした。
言ってもいないのに私が泊まるホステルの名前を出してきて怪しかったけど、事前に金額をしつこいくらい確認し、相場よりもそこまで高くなかったからまあいいか・・・と乗り込んだ。
途中、日本人もたくさん乗せているよ!とノートを渡してきた。
そのノートには各国の言葉でリキシャの運転手のレビューが書いてあった。

先人たちのメッセージ、ありがとう

とりあえずGoogle Mapで確認するとホステルにはちゃんと向かっていたので、なんかあったら逃げようと思い乗り続けた。
途中、お土産屋に寄ろうか?レストランに行こうか?今日1日ガイドしてあげるよ!などと言ってきたが全部断った。
とにかくホステルに行って!と伝えたらしぶしぶホステルまで乗せてくれた。
ギリギリまでガイドするよー!16時に迎えに来るよー!と言っていたがNO!!!と断ってなんとかなった。

4月のインドは地獄

ホステルに到着、またチェックインの時間ではなかったので屋上で待つことに。
屋上からはタージマハルを臨むことができて最高の景色だった。

ちょこんとタージマハル

最初は景色を楽しんでいたのだが、暑すぎてだんだん意識がぼーっとしてきた。
私はインドに来るまで無知だった。4月のインドはヤバい、日中外の気温は40度を超える。
日本では体験したことのない酷暑であった。
このままだとまずいと思い、ホステルの人に頼んで早く部屋に入れてくれない頼んだ。
まだ清掃中だから・・・ということで時間はかかったが少し早めにチェックインさせてくれてベッドで休むことができた。
途中でホステルの人が入ってきて
「明日はタージマハル休みだから、今日行っといたほうがいいよ。大丈夫?」とわざわざ言いにきてくれた。なんて優しいんだろう。
日が落ちてきた16時ごろ、ずっと寝ていたら体調が良くなってきたのでタージマハルへ向かった。

タージマハル、建築よりも人が面白い

チケット売り場のガイド

タージマハルではまずチケット売り場で洗礼を受けた。
チケットの買い方をあらかじめ同じ宿の人に聞いていたが、実際に訪れると場所がよくわからずうろうろすることになってしまった。
インド人と外国人で売り場が違うため、わかりづらいのだ。
困っていると「こっちだよ!」と、ガイドと思われる人が話しかけて案内してくれた。
顔写真入りの社員証のようなものを首からかけていたので、
(さすがタージマハル、公式ガイドがチケット購入の案内してくれるんだな〜)と思ってお金を渡し、チケットを買ってもらった。
入口でもらえる水と靴カバーを受け取ってくれて、一緒に歩いた。
こいつどこまで案内してくれるんだ?と思いながら、よくわからない英語でいろいろ説明してくれて、適当に相槌をうっていると、急にお金の話になった。
あれ?と思い
「もしかしてあんたこれからガイドしようとしてる?」と聞いたら
「そうだよ!◯◯ルピーで案内してあげるよ!」と言い出した。
このガイドはタージマハルの公式ガイドでもなんでもなく、ただの勝手にガイドをしてくれるそのへんの人だったのだ。
いらんな・・・と思ったのでお断りした。
チケット購入してくれたのにごめんな、と思ったけどそういうのはまず最初に言ってほしかった。
彼と別れてからも他の人が「ガイドするよ!」と話しかけてきたが無視した。

セキュリティチェックのお姉さんたち

インドでは観光地や美術館、駅などセキュリティがすごく厳しい。
タージマハルではボディチェックの他に荷物検査があり、バッグの中をかなり細かく見られた。
私のバッグの中が臭いのか、荷物検査のお姉さんはなんどもしかめっ面で私のバッグを嗅いでいた。
私は今回一人旅ということで、少しでも楽しくなるように日本から自作のぬいぐるみをお供として持ってきていた。

ふわふわのお供

そのお供がお姉さんに見つかり、「これは何?」と聞いてきた。
「あ〜My Friend」と答えると、お姉さんはマジかよという顔をして他の荷物検査の人に「ねえこれどう思う?」とぬいぐるみを見せて審議を図っていた。
隣のお姉さんは苦笑しながら、
「この子の名前は?」「男の子?女の子?」と聞いてくれて、律儀に答えると「OK」と言って通してくれた。ちなみに日本から持ってきたグミは没収された。

タージマハルでは外国人が大人気

お城じゃなくてお墓なんだって。

無事に入場すると、中は観光客でいっぱいだった。
わ〜本当に来たんだな〜と思いながら歩き、墓廟の中へ入るチケットを買った。
そこで、ティーンの女の子たち4人くらいが私のところに走ってきて、
「(せーの、)一緒に写真を撮ってください!」と英語で話しかけてきた。
シャッターを押して欲しいのかな?と思ったらそうではなく、私と写真を撮りたいということだった。
知らない女の子たちに囲まれて写真を撮り、なんだ〜!?と疑問に思いながら歩くと、今度はサリーを着たおばあちゃん3人組に話しかけられた。
眉間に皺を寄せた表情で、ヒンディー語なので全く何を言っているかわからず、かろうじて「Camera」という単語だけが聞き取れた。
もしかしてここで写真撮っちゃいけなかったのかな?私今怒られた?と思って話を聞き続けていると、どうやらおばあちゃんたちも「あなたと写真を撮りたい」と言っているようだった。
なぜ、こんなさえない一般人アラサー女と・・・?と思いながらも私のスマホで写真を撮った。
ちなみに、おばあちゃんたちはスマホを持っていないみたいなのでおばあちゃんたちの手元にはその写真はない。それでも良いのか?よくわからない。
その後もいたるところでインド人から写真をお願いされ、見知らぬ家族に囲まれて写真を撮ったり、人だかりができたりして面白かった。
自分の子供に、「ほら、お姉さんの腕に手をかけなさい!」と強引にポーズの指定までするお母さんもいた。
実はそのおかげでタージマハル自体の印象が薄い。
タージマハルはきれいだったし行って良かったんだけど、それよりもインド人のフレンドリーさとパワーに圧倒されてしまった。
インド人との交流も含めてあの場所に行って良かったと思う。
ちなみに、私だけでなく他のアジア人や欧米人も人気だったのでインドの観光地ではそういうものみたい。
後日何人かのインド人に「あれは、なんで?」と聞いたけどはっきりとした回答は得られなかった。
「多分なんか珍しいからじゃない?」と言っていた。

その後、ホステルに帰って日が沈むまでタージマハルを眺めた。
タージマハルはライトアップされるわけでもなくただただ夜に溶けていった。
この日は一泊600円程度の男女混合ドミトリー(しかも私以外男性)だったため、シャワーを浴びる気が起きずすぐに寝た。
ホステルでは夜更けまで重低音が響き渡り、みんなが寝静まったあと同室の男性がトイレで10分くらいえづいたりしていて眠れたもんじゃなかった。

つづく

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