海、もぐること。<奄美大島>
たった一息、吸い込んだ息を止めて、
自分の体内にありったけ溜め込んだ酸素だけで
深い海のなかにほんの一瞬お邪魔をする。
私にとってこの現実世界からエスケープできる唯一の瞬間。
海とひとことで言ってもどの海も違っていて(しょっぱさや色味も大きく違う)、まずは最愛の奄美の海について書こうかな。
沖縄とも本土とも違う、また個性的な文化を持ったこの島の海。
ビーチではとろみのあるミルキーブルーに染まった海水が
ベージュ×白の優しくあたたかい砂浜に柔らかに打ち寄せていた。
ビーチには人がほとんどいなく、まるでこの世の果てにいるのかと錯覚するほどの美しい景色。
美しすぎる景色は与えるその感動の大きさの一方で、自分の日常に溶け込んでくることはないけれど、ここで見て味わった想いは今も私の心に、肌に染
み付いていると思う。
このキラキラをとにかく見てほしくて……!(トップ画ね)
ビーチからたった10mほど入っただけでこの煌めき。
人も誰もいなかったからこのあとそっと水着を取ってsknny dipping。
半年くらいモヤモヤと抱えていた取り留めもない感情とか、
「あれがほしいこれがほしい」なキリのない欲求が全て浄化されていった瞬間だった。
で海からあがってビーチを歩いていたら、とっても小さなうすパープルのかわいい貝を見つけたの。
持って帰ろうと思って流木のうえに置いて乾かしていたら……
少し時間を置いて戻ってみると流木から落っこちていた!
中をよく見たらこれまた小さなヤドカリが住んでいらっしゃったw
残念だったけど小さなヤドカリの住む小さなお家を、あたたかな砂浜に返してきたよ。
で、たんまりとビーチを堪能したその日の夜、ビーチに隣接したちいさな古いお土産やさんで400円でピンクのかわいい貝を購入したのね。
店番をしていたおばぁに「キレイな貝を集める仕事があるんですか?」って聞いたら
「10年くらい前にはこういうキレイな貝殻が普通に海岸に落ちていて、
漁師の奥さんたちが拾って集めて売っていたんだよ」とのこと。
10年前の貝だけれど、耳に当てるとまだ海の音がじゅうぶんに響いていて
ああ、今こんなにも美しく見える海でも10年をかけて少しずつ変化をしているんだなと地球の声を感じた。
いろんな生き物が自分の想像しないような場所にいてね。
人間のエゴだけで楽しんで豊かになろうとしてはいけないんだと改めて学ばせてくれた奄美の海のお話。
ほんの一瞬息を止めて潜る。
そのたった一瞬だけ、One Breathで人間の力の及ばない世界に「お邪魔」させていただくことで見れる景色。
次はどの海のお話を書こうかな。