教奏
親のエゴに教えを乞う少女
絶対と思っていたそれが
エゴだと気づいた思春期
教材代と偽り手にした三千円で
最寄りから街まで揺られた
自分と同じよう親のエゴで疲れ果てた
小学生を肩で寝かせながら揺られた
初めての自由だ
瞬きをする度に変わる雲の形と空の色
感情の安定しない春の風
手に入れた知識が千恵へと変わっていく
街が騒がしくなった頃駅に向かった
店の前で喧嘩する大学生を横目に歩いた
駅のベンチではサラリーマンが寝ていた
通過の電車が通った
私はホームに飛び込んだ
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