小さな部屋

ひとりにさせられてた
小さな部屋に閉じ込められて
最初はたぶんさみしかった
それもいつしか
慣れてしまった
ひとりの世界で
生きるしかなかった
お気に入りのタオルがあると
少しだけ安心した
世の中で私が頼れるのは
そのタオルだけだった
机にはえんぴつと紙があった
私は毎日いろんなことを
ずっと書いていた
書いては読むを繰り返してた
閉じ込められた小さな部屋で
何年も過ごした
それがあたりまえすぎて
それほど思い出すほどのことでもないと
思っていた
だけどきっと長い間
それはとてもつらい時間で
それがどれほどのことだったのか
それがどれほどのちに
影響してるのか
それは計り知れないぐらいのもの
みんなが私をひとりに
させようとしているという
恐怖感が
いつもつきまとう
それがなんなのか
ずっとわからないまま
今日まで生きてきた
みんなだけが仲良しで
私だけが
みんなの輪には
入れてもらえなくて
我慢するしかなかった
我慢して生きるしかなかった
その頃の記憶は
あまりないけど
少しずつ思い返せるように
なってきたのかもしれない
私が人前で泣けないのは
ひとりで泣く癖が
あるからかもしれない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?