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『子供のレジリエンス』と『親の思考』

小さいお子さんの育児中のママ&パパで、子供の忍耐力のなさを心配されている方は多いのではないだろうか。ちょっとしたことで心が折れたり、失敗を恐れて行動できなかったり、そんな場面を見ることもあるだろう。そういった失敗や挫折を乗り越えて復活する力を『レジリエンス』を呼ぶのだが、その『レジリエンス』に影響する事項を描いてみる。

〈レジリエンス〉

上記の通りレジリエンスは『目の前の逆境やトラブルを乗り越えたり、強いストレスに対応することができる精神力』のことだ。人間が社会生活を営むには必ずといって良いほど必要な力の一つだ。なぜなら、人間はこの社会では一人で生きていくことができず、必ず他者との関わりの中で生きていくからだ。人間の悩みは全て人間関係の中で構築される、といったようなアドラー心理学的な考え方からもわかる。
レジリエンスがあると最終的には『行動』につながるのだが、行動に至るまでのプロセスは

思考  感情  行動

という流れになっている。人は感情を変えようとしても難しい。なので、レジリエンスを高たければ、入り口の『思考』を見直す必要がある。

〈レジリエンスが低下しやすい思考〉

ではどんな『思考』がレジリエンスを低下してしまうのか。今回は下記の書籍を参考にし、その中でも子供のレジリエンスに影響を与えるものも抜粋してみた。


否定的側面の拡大(肯定的側面の否定)
二分化思考(少なすぎる判断基準、勝ち負け思考)
「当然」「べき」「ねばならない」思考

上記の細かい説明は割愛するが、この3つの思考は極端に視点が少なく物事を解釈する際に偏った見方になる。すると判断基準から容易に逸脱することも多く、それが自分であれば自分自身をを否定せずにはいられなくなる。そうすると、『自分はダメな人間なんだ』といった思考になり、行動するのが億劫になってしまう。

〈親の思考が子供のレジリエンスに影響する〉

上記のような思考過程には共通点がある。それは、

周囲の人間にも多大なストレスを与え、関係する全ての人間のレジリエンスにまで影響を与えてしまう

ということだ。一人の思考が他者にまで影響してしまうということだ。働いている会社などでも、人の否定ばかりの極端な思考を持つスタッフと関わるのはしんどくないですか?それはその方の思考から影響を受けレジリエンスを低下させられている可能性があるということだ。

これを家庭に置き換えても同じことだ。親が極端な判断基準や思考過程を持っていると子供はうんざりする。何をしても否定されたり、必要以上に親の価値観を押し付けた生活スタイルになっていると子供のレジリエンスはどんどん低下させてしまうことになる。もし自分の子供が何かに挑戦できなかったり、失敗した後になかなか復活できない場面がある時は、親である自分たちの思考を一度見直してみてはどうだろうか

今回は、子供のレジリエンスと親の思考との関係を書いてみた。補足ではあるが、上記の『親の思考=子供のレジリエンス』の構図自体も絶対的なものとは言えないだろう。なぜなら、「絶対に〇〇」ということ自体が『「べき」思考』になってしまうからだ。あくまで『影響する要素』の一つと捉えた方が良いだろう。育児本などに書かれていることもすぐに鵜呑みにせず、一度自分で咀嚼してから自分の血肉に変えていけばうまく育児も活かせることができるだろう。

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