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[発達障害] 勘違いの恋

NHKで放送されている「恋せぬ二人」というドラマをご存じだろうか。このドラマの主人公と私には共通点がある。この記事では発達障害と感情について考察してみたい。

何度も書いているのでお分かりとは思うが、念のために前置きしておくと、私はアスペルガー症候群、現在の表現を使うと自閉症スペクトラム障害の当事者だ。

その特徴とされているものの1つが、「他者の気持ちがわからない」「人との距離感がわからない」という点だ。私の場合は、そもそも自分の感情にも疎いのだが、それについては別の機会に譲ろうと思う。

「他者の気持ちがわからない」特性のある私は、当然恋愛からは縁遠い人生を送っている。
もちろん発達障害をお持ちの方でも、素敵な恋をし、素晴らしいパートナーを得ている方がいらっしゃるのでこれをひとえに発達特性によるものと片付けていいかどうかは疑問に思う所だ。

私は元来人に好かれる人間ではないと自覚している。自分が自閉症スペクトラム障害を抱えていると知る前から、その思いはごく自然に私の中にあった。

そのためだろうか。私は、私に親切にしてくれる人、良くしてくれる人にとても弱い。
つまり、すぐにその人を好きだと思ってしまう。

勘違いの黒歴史を敢えて振り返ってみよう。
学校の先生はもちろん、塾の先生、親切にしてくれるクラスメイト、いつも行くお店で声をかけてくれる店員さん、果てはオペラグラス越しに目が合い、ウィンクしてくれた宝塚の男役スターさんに至るまで、枚挙にいとまがない。

さらに私には「言われたことをそのまま受け取る」という特性もあるので、さらに厄介なことになる。

例えば、これは実話だが、いつも行くガソリンスタンドでよく担当してくれる店員さんがいた。ある日、別の店員さんが「○○がメリッサさんのこといいって言ってましたよ」と言う。すると私は○○さんを意識してしまう、という具合だ。そして距離の取り方がわからないので、急に距離を詰めてしまって引かれる…という結果に終わる。

だから最近は何かを言われても、自分に「これは私がお客さんだから言ってくれてる」「お客さんだから良くしてくれる」といちいち言い聞かせ、勘違いを防ぐように心がけている。

定型発達の皆さまにおかれては、社交辞令、営業トークやスマイルでも勘違いしてしまう人種がいることを頭の片隅に入れておいていただけるとありがたい。

人の心は見えない、わからないからいいと聞く。男女間における駆け引きが楽しい、という上級者もいるようだ。

でも、「他者との関わりにおいてサポートが必要なレベル」と診断されている身としては、人の気持ちがわかればいいのにと願ってやまない。

さて、ポルノグラフィティの「空想科学少年」を聴こう。

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