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③「ラカージュオフォール」🎶楽曲から見えてくるテーマと〝籠の中の道化たち〟とは?

ごきげんよう✨
ミュージカル大好きメリアです。
最近は、Instagramでも週に一回のペースでミュージカルについての配信をしています。

noteでもInstagramでも2022年3月は、「ラカージュオフォール」三昧です(^-^)

改めて「ラカージュ」の楽曲と題名についてのメリアの考えをまとめます。


💄💋✨マスカラ💄💋✨

一幕、くたびれた中年男のアルバンが、お化粧しドレスアップして、華麗なる歌姫〝ザザ〟に変身する過程をみせる歌。

鏡にくたびれた顔 うんざりよ
今日も 嘘の私に化けなきゃ もうだめ

と始まり

塗るわたっぷりと マスカラ 
それだけで シャンとする
元気あふれ ok!
乗りきれるわ

気持ちの切り替えしなくちゃ
強い見方はマスカラよ

と、〝マスカラ〟に象徴された〝身を飾り立てる〟ことで、鬱屈とした日常を忘れ、華やかな歌姫に変身する。

この曲でアルバンに親近感を覚えたのは私だけでしょうか❔

アルバンを演じる市村さんも、好きな曲だと30週記念記者会見で仰っていましたね。

〝マスカラ〟のような気分を切り替える〝スイッチ〟は、人生を朗らかに生きるために必要なツールですね。


📨見てごらん📨

〝見てごらん〟は、まず二幕始めにジョルジュが、24年間母親代わりを勤めてくれたアルバンの大切さをジャン・ミシェルに諭すシーンで歌われる。

君が人生に 怖れ抱いた時
心いためてた その人は誰
誰よりおまえを 愛した人がいるよ

そして、アルバンの〝愛〟に気がついたジャンが、二幕ラストに〝見てごらん〟をリプライズする。
世間知らずで、天衣無縫のジャンが、自分の縁談で巻き起こった騒動により、自分を愛してくれている存在と、その有り難さに気がつく感動の場面だ。


✨ありのままの私✨

開幕とともに美しいカジェル達が歌う
〝ありのままの私たち〟

ありのままに見えて 全部イリュージョン
正直に生きていたいから
嘘の姿に身をやつし

と、華やかに怪しく「ラカージュ」の世界に誘います。

ありのまま
夜はブラジャー 昼はサスペンダー
さあ 楽しく生きるわよ


一幕の終わり、
女装の母親では、息子の婚約者の両親には紹介できないとジョルジュに告げられ、
傷付いたアルバンが歌うのが、〝ありのままの私〟です。
上記の〝ありのままの私たち〟と同じメロディー。

ありのままの私の姿を見て
この世界に1人だけ それが私
けなされても 拍手を浴びても 関係ない
誇り高く生きるだけ

やめてよ!
お情けや お世辞なんか
自分の世界 好きなように生きる
そうよ 私は私!

ブロードウェイでアルバンを演じたウォルター・チャールズの〝ありのままの私〟についてのコメントが、「ラカージュ」のパンフレットにのっていました ⤵️

「つい同情を買うような、お涙頂戴のパフォーマンスに陥りやすい。
しかし、アルバンは決して自分を憐れんではいない。
演出家には、アルバンの堂々たるプライドを表現するように言われたよ。」

確かに、市村さんも、憐れみをかうような表現はされていない。

〝ありのままの私〟を歌い終えた市村ザザが退場するとき、市村さんから放たれる熱気!
その熱量・パワーから、〝誇りを持って生きていく〟強い決意を感じる。

〝ありのままの私〟は、「自分らしく生きる」というアルバンの決意表明の歌なんです。

カジェル達が始めに華やかに〝ありのままの私たち〟を歌い、
後にアルバンがプライドを持って〝ありのままの私〟を歌う。

同じ曲をリピートすることで、
華やかに楽しそうにみえるアルバンとカジェル達も、強い決意で〝ありのまま〟に生きているんだ‼️
観る側に、そう気づかせてくれる。


🍷今、このとき🍷

アルバンとジョルジュが、ダンドン議員夫妻とアンヌを人気のジャクリーヌの店でもてなすとき、
ジャクリーヌに促され、女装をし母親のふりをしたアルバンが歌う曲。
他の客も巻き込みながら、楽しく華やかに唱和していく。

今このときが 何よりも素晴らしい
過去は消え去り 明日の日は誰も知らない
今このときをしっかり生きて 愛して
いついつまでも 大事にして 今を今を今を

     ⏫⏫⏫

この曲を初めて聞いたメリアは
「いいわよね~😎〝今が素晴らしい〟なんて言える幸せな人たちは!」
と、拗ねまくってました💦当時は、かなり荒んだ日々だったもので💧

でも、この曲の真意は、そうではなかったんです❗

この曲は、「今を大切に生きよう」という
作詞/作曲 ジェリー・ハーマンさんの信条を表した歌。

決して、楽しいときを過ごす幸せな人の歌ではなく、
例えどんな状況であっても、
「今を大切に楽しく生きる」選択をした人の歌なんですね~。

明朗で覚えやすいメロディーと歌詞で、
最後は、舞台と客席が手拍子で盛り上がる曲。
カーテンコールでも使われるので、劇場をあとにするときには、誰もが口ずさめるようになります。



「ラカージュ」の成り立ち、ジェリー・ハーマンさんについて語ってます⤵️


〝籠の中の道化たち〟とは?

人間は、それぞれに違った価値観を持っています。
だから、ある人が、自分とは違う価値観を持つ人を見たら、〝籠の中の道化〟のように見えるのかもしれない。
しかし、誰もが自分の信じる〝世界=籠〟の中の住人であり、他の〝世界〟の住人からしたら、自分自身も理解不能な道化なのです。

アルバンは、自分の信じる〝世界〟とは違う〝世界〟の住人・ダンドン議員夫妻に、彼の存在を否定された。

しかし、二幕最後、ダンドン議員夫妻は、彼らが否定したアルバンの〝世界=籠〟の中に閉じ込められてしまう!
アルバンの〝世界〟から脱出するため、彼らが最も軽蔑していた種類の〝籠の中の道化たち〟となるという、なんとも皮肉な結末が待っていた。


作品から得たメッセージ✨

さて、上記の主軸といえる楽曲やテーマから、メリアが得た作品のメッセージは~

*例え、どんな状況だとしても、現実を悲観し続けるのではなく、理想の自分になりきってすごしてみる。
*過去や未来ばかり思い悩むのではなく、今この瞬間をできる限り楽しむ努力をする。
*周りの目を気にすることなく、自尊心をもって自分らしく生きる。
*価値観の違いを知り、尊重する。

う~ん深い‼️
やはり、ただ者ではないぞ❗「ラカージュオフォール」


長い文章をお読みいただき、いつもありがとうございます。(^-^)

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