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ぬるま湯の泉①

「私、欲深い生き物だから。だからそのとき満たされてもまたすぐ何かが欲しくなっちゃう」彼女がそう語るのはいつもお酒がだいぶ浸透し少し呂律が回らなくなった頃。ビールも呑み飽き、酎ハイはもう何杯目なのかも分からない。食べ散らかした皿が数枚並ぶテーブルに頬杖を付きグラスの縁を撫でた。

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