チクタク 私の旬

私、バカじゃないの

自覚もしてる

賞味期限チクタク

女の旬

あなたといれば永遠かも


という、誠にロマンチックな、歌謡曲の歌詞も、Juice=Juiceというアイドルグループの歌う歌にはあるけれど、私がずっと一番興味があるトピックとは女の旬というあいまいで人それぞれなぼんやりしたものではなく、リアルな「出産リミット」というもので、そのことについてばかり考えている時期があった。逆に言えば女の子の旬なんてこの歌詞にある通り別に簡単に永遠にもなりうる。「賞味期限チクタク」「女の旬」なんてちょっとひやっとするフレーズの後に、「あなたといれば永遠かも♡」て来るから、ズコーッてなるけど、私もマジでそんな感じで信じているし気にしていないまま、今週かわいい服を着ることだけを考えて生きている。


しかし、出産の期限となるとまた話は別。実際生物の本能として、産むには旬の時期を実感し、産みたい願望が異様に高まっていた時期だったからというのが大きいけど(最近はとんとその気持ちがなくなってきた、避妊手術を終えた猫のようにちょっとさみしい)、その時期の私はそういうことについて書かれている言葉や、そういうニュースがすごくすごく気になった。そしてそのデリケートな話題を、人と話したくて仕方なかった。けど誰かと話すと誰かを傷つけてしまう可能性もある話題だから、そんなに簡単には話せない。人に言わないだけで本当にいろいろな立場の人がいるわけだし。
自分の中でもんもんと、複雑な思いが膨らんでいき、芸能人のニュースやインタビューなどでもそういうことについて語られているものが目に付いた。阿川佐和子は高齢で結婚したけど、その理由は、もともと子供が大好きで子供を産みたかったけど産めない年齢になったから、それだったら結婚も別にいいやと思って生きていたら、この歳で偶然一緒になりたい人が見つかって、とか言っていて、なるほどなぁ、と思ったり。(ちなみに、私の肉体が本能的に焦りを感じた時期よりずっとずっと年上のたくさんの人たちが子供を産んでいるので、あくまで私の場合の話である)

実際は、子どもが欲しいか欲しくないのかなんて、自分の本当の気持ちなんて、自分の胸に聞いてみたところで全然わかんないのが普通だと思う。
どっちでもいい、ていうのが本音の人も多いと思う。実際真理はどっちでもいいわけだし。

しかし「どっちでもいい」だとできない方の可能性が時間とともにどんどん高くなっていく。「どっちでもいい」を選びたいのに。
子孫を残すかどうかなんて大事なことを、なぜ女だけがいろんなことに忙しい時期に決めなきゃいけないのだろう。ほんとは欲しくないかもしんないけど、もし万が一未来に欲しいかもて一瞬思った時に、もう叶わないってことに絶望するのが一番怖い、みたいな不安が襲ってくる。
性教育は避妊しか教えてくれなくて妊娠のリミットなんて学校でもテレビでも習わなかったし、作ろうと思えばあかちゃんて簡単に誰でもできるもんなんだと思っていた。

男はいいよなあ、そんな悩みとか決断をわざわざしなくて自分のやりたいことのんびりやっててよくて、とか思ったりもした。男でずっと彼女ができない友達だって、別に焦ることなくて悠々自適にしてたらいつかぴったりの人がやってきそうだし。そしてそれこそ子供は「どっちでもいい」に身を委ねて、神様に決めてもらえるかもしれない。

けど女はある程度焦らないといけないっていうのが超やだった。
わたしは焦るのとか、急ぐのが苦手である。
朝学校に急いで行くのが嫌で、急がないといけないと思った瞬間諦めて遅刻してしまうタイプだった。もう今日は2限から行けばいいかな、とか・・。

「どっちでもいい」を選ぶのにすら、焦らないといけない。そんな中不妊治療の大変さとかの話はどんどんよく聞くようになるからさらに不安になる。女のこの焦りは、PMSのように自分でコントロールできなくて重くのしかかる本能的な叫びなので、そういう暗い気分の時にいろんな情報を聞くと人生って自分が思ってるよりもずっとずっと辛く大変なのかなという気持ちになってくる。(そういえばナチュラルに暮らしてる系の人には珍しく高木正勝が最近不妊治療を告白していて、なんだか良かった、欲しい人は頑張ってる話聞くのとかは勇気になるし、欲しいて気持ちに素直になるのってすごく素敵なことだと思った)


けど、最近思うのは、女の子はこういう複雑な思いを抱えてるから美しいってこと。女の人の深みとか哀しみとかって、この問題に大きく絡んでる気がする。

10代のアイドルの女の子も、そういう、いわば「チクタク 女の旬」を本能的に察知してるからこそ輝いてるてことを、ハロヲタである菊池亜希子と蒼井優の対談で昔読んだ。

「女として生まれた以上、ある種の“時間との戦い”に向き合わざるを得ないんです。周りからの評価、自分の立ち位置、人生のステージ……時が常に流れていく中で、やがては消費される存在になってしまうのではないかという怖さ。その瞬間、その瞬間が常に刹那的。でも、このへんの感覚ってもしかしたら男性の方には理解しづらいのかもしれません」(菊池)

私はハロプロの女の子たちがだーいすきなので、「時が流れていくこと」と「女の子の魅力」の関係はめちゃくちゃよくわかる。あの頃の彼女と成長した今の彼女どっちも尊くて、刹那的であるからこそ美しくてきれい。女の人って本当に魅力的な存在だと日々思う。

そして私はベリーダンスの先生をしているので、子宮が決して子供を産むためだけの臓器じゃないことも深いところから知っている。伊達に腰をまわしてないから心から言えるけど、子宮は(子宮を取っちゃった人は子宮があった場所が)、女の人の美しさや創造性や受容性に大きく関係していて、女が狂う原因にもなるが女が輝く原因にもなる。私は自分の周期を愛している。それは、月の満ち欠けや四季や、生と死のサイクルを愛するのと同じようなことだし、それは老いも愛せるってことだし、誰か私と同じように悩んでいる女の人がいたら「その哀しみがあなたの深みだし美しさだよ」って言いたい。






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