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「夜汽車」
夜空に掛かる無数の枕木
冷たい空気を纏って走る
ぬくもりを載せた夜汽車
回送列車すら引かずに走る夜汽車
行先は分からないよ
だって枕木は形を変えて流れるから
石炭を焚べる必要は無いよ
だってぬくもりがあるから
蛍一匹いてくれれば大丈夫
月光に照らされて煙を吐く
青黒い空を走る夜汽車
あの時座ったまま死んでしまった
出会ったこともないあの男性は今
この月の隣でゆっくり揺れているのだろうか
崩落する未来に向かって進め
堕落した過去を燃料にしてな
壊落浸る現在でひた走れ走れ
行先不明の月の晩
夜汽車は煙を吹き
宛もなく走り続け
何処で停るのかな
終着駅は、そう遠くない。
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