見出し画像

【詩】月がとおくで光るヨル

七十度近い酒を喰らった
残さず飲み干してやった

今宵のお月様はちと遠いね
手を伸ばしても届かないよ

月が遠いということは
星が近いということだ

常に照らしてくれるオリオン
双子座はどこにあるのだろう

今日も鉄塔の玉座は特等席

ふらつく足なんて気にするものか
ぼやける明日なんて知ったことか

Tricky Tricky

crazy crazy

ネジ数本抜けてなきゃやってらんねぇや

恨み辛みの渦を起こしても
なーんにも残らないやない
そんなもんに命燃やすなら
お陽様に手を伸ばしやがれ

さぁ、飛ぼうか

少しだけお月様に近付けた

昔書いた気がする
月は気を狂わせる

凛と
月へ

両手を放して堕ちていこう
俗世で息は苦しいからねぇ
生きやすい処を探そうかな

何か握ってては
何も掴めないさ

今を生きよう
四十路手前で
終わっちまう

短命に火を点けて
全部捨てちまって
残ったものが大事

損得勘定無しで手を伸ばしてくれる
俺はその手を掴んで絶対離さねぇよ

俺の最後の人間臭さ

ほら、月が少し近付いた。

この記事が参加している募集

ほろ酔い文学

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?