デジタルマーケティングの基礎知識まとめ
このマガジンは、事業会社でマーケティング担当者として13年以上働いてきた私が、事業会社のマーケターだからこそ得てきた経験を、今後マーケティングに関わる方や、マーケティングを学びたい方に役立てていただくために残すものです。お仕事でマーケティングに関わる方もそうでない方にもお役立ていただけるものにしたいと思っておりますのでぜひお付き合いください。
※このマガジンの背景や概要を知りたい方は、最初に書いた以下のnoteをご覧ください。こちらは全文無料で最後までお読みいただけます。
今回はvol.4として「デジタルマーケティングの基礎知識」をテーマに書いていきたいと思います。まずは以下の「デジタルマーケティングの一枚図」に目を通していただき、本文に進んでください。最後にまたこの一枚図を見ると理解が進むと思います。
最重要の成果指標
デジタルマーケティングにおいて、EC/WEBサイトの成果は、結局「トラフィック×コンバージョンレート」で決まります。「え?それだけ?」と思われるかもしれませんが、業界や会社によって異なるものの、ほとんどの場合、結局はこの2つに帰結するはずです。
トラフィックとは、そのサイトの訪問者数です。UU(ユニーク・ユーザー)数という指標が使われることが多いです。つまり、ある期間に何人のユーザーがそのサイトやブログを訪問しているか、ということです。PV(ページ・ビュー)やセッションという指標もありますが、基本的にはUUを追っていくのが一般的です。
コンバージョンレート(CVR)は転換率とも呼ばれ、つまりは訪問したユーザーのうち、コンバージョンする人の割合です。コンバージョンは、リード(リスト収集数)や購数(購入人数×リピート数)となり、そのブランドやサイトによって設定されるコンバージョン指標は異なります。
WEB/ECサイト解析と聞くととても複雑なものを想像してしまう方もいるかもしれませんが、ほとんどの改善施策が、「トラフィックを増やす」か「CVRを上げるか」の2つに帰結されます。こう考えるととてもシンプルですよね。
基本的なデータ指標
EC/WEBサイトの成果は、結局「トラフィック×コンバージョンレート」で決まる、という話をしましたが、とはいえ基本的なデータ指標は知っておく必要があります。ここでは代表的な指標をまとめておきましょう。
<トラフィックを表す指標>
UU数(ユニークユーザー数):訪問したユーザーの人数
PV数(ページビュー数):見られたページの回数
セッション数:訪問された回数
<サイト内の行動を表す指標>
平均滞在時間:一度のセッションでユーザーがサイトに滞在する平均時間
直帰率:1ページのみの閲覧で終わったセッションの割合
<広告の指標>
CT(クリックスルー):広告のリンク等がクリックされた回数
CTR(クリックスルーレート):広告のリンク等がクリックされた割合
IMP(インプレッション):広告が表示された回数
CPA(コストパーアクション):1件のリードを獲得するためにかかった費用
<成果を測る指標>
CV(コンバージョン):資料請求や購入など(そのサイトによって定義される)
CVR(コンバージョンレート):トラフィックのうちCVした割合
トラフィックを分解してみよう
トラフィック、つまりどのくらいお客さんが集まっているか(集客)を分解してみましょう。わかりやすい分け方として「ペイド」「アーンド」「オウンド」があります。(正確にはこれらのペイド・アーンド・オウンドは、「媒体」自体を指すのですが、ここではそれぞれの媒体を経由してきたトラフィックの種類としてこれらの言葉を使っています)
【ペイド】
いわゆる広告です。お金を出してお客さんを集めてくるやり方ですね。
代表的な広告の種類をまとめておきましょう。
ディスプレイ広告:様々なWEBサイトやブログ、SNSなどに表示されるバナー広告のことです。インターネット上ではそのユーザーの行動履歴などから、その人がどのような属性の人か(性別、地域、年齢など)を予測することができます。それに合わせて配信するのがディスプレイ広告です。今で接点のない人に広く配信できるので、認知拡大の目的で使われることが多いです。ただその分クロージングの精度は低く、コストが高くついてしまうことが一般的です。
サーチ広告/リスティング広告:Googleの検索エンジンなどで検索した結果画面に表示される広告です。商品やブランド名などを含む「ブランドキーワード」(例:スターバックス、ドトールコーヒーなど)と、「一般キーワード」(例:カフェ、コーヒー、新宿のカフェ、など)に分けられます。
リターゲティング広告:自分たちのWebサイトを訪問したことがあるユーザーに対し、その履歴データを元に再度広告を表示するタイプの広告です。正確にはリマーケティング広告もディスプレイ広告の配信方法の一種で、表示される場所も同じです。ただ、過去に「自分たちのWebサイトを訪問したことがある」点で、すでに自社の商品やブランドに興味を持っている可能性がとても高く、購入してもらえる(コンバージョンしてもらえる)可能性が高い広告です。
その他オフライン広告:インターネット広告と少し外れてしまいますが、オフライン広告(チラシ配布、交通広告、テレビ広告など)を見て、そのWEBサイトを訪問した人たちのトラフィックも、厳密には「ペイド」経由のトラフィックと言えるでしょう。しかし、オフライン経由の場合はデータで計測するのがとても難しいく、この後紹介する「自然検索」経由のトラフィックと区別がつかないことがほとんどです。
<ペイド経由トラフィックの特徴>
お金をかけてトラフィックを集めるので、即時性が高いです。事業者側でコントロールしやすい一方で、当然ですが、広告を出稿している時だけ効果があるものなので、一時的な効果になります。
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マーケターが最初の3年で学ぶこと
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