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3年の海外勤務で学んだこと

2022年6月を以って、私の海外勤務歴(上海駐在)もちょうど3年となりました。この3年は長かったようなあっという間だったような。このnoteでは自分の一つの目標でもあった海外勤務の3年間で学んだこと・得られたことをまとめてみます。海外で働くということを将来考えている方の参考になるととても嬉しいです。

私は学生時代には、留学経験もなく、本当にドメスティック人材でした。海外に長期間滞在するということは、人生で初めての経験です。私にとってこの上海駐在という経験は、本当に人生にとって大きなインパクトを与えていると思います。

マネジメントをすること

まず仕事上とても変化が大きかったことは、マネジメント業務を経験していること。自分は日系大企業で働いているので、日本の本社にいると30代前半ではなかなか管理職を経験することはできません。しかし、海外駐在員は多くの場合は海外オフィスを管理することを目的として派遣されます。私の場合はぺーぺーですので、メンバーは5人程度ですが、小さなマーケティングチームのマネージャーをさせていただいています。他の上の方の中には、数百人の部下を抱えている方もいます。

マネジメントを経験して改めて感じたのは私は「自分でやりたい病」であること。データもローデータを自分で見たいし、資料も自分で作りたいし、広告のデザインや内容も自分で考えたい…. でもこれではチームが育たないし、中国語環境では自分でやるより人に頼ったほうが結局速く進んで良いものができることもあります。なので私はこの3年間、自分でやらない、人に任せる、必要な人を巻き込んで進める、ということを学んでいます。

中国語で仕事をすること

私の会社の上海オフィスは、他の日系企業と少し違います。社員の大部分は日本語を話せない中国のローカルスタッフで、多くの中国人管理職のスタッフが活躍しています。だから、社内の共通言語は中国語で、その場に一人でも中国人がいると資料も会話も全て中国語で進めることになります。

良くも悪くも日本人にとってはハードなそんな環境ではあるため、私も駐在が決まってから少なくとも1年半くらいは本当に必死に中国語を勉強しました。HSK6級も早い段階で合格することができました。3年が経った今では、基本的なコミュニケーションは中国語で問題なく仕事を進めることができるレベルになっています。

とはいえ、いくら勉強してもネイティブスピーカーに一生追いつくことはないし、会議中も中国人同士の速い会話についていけないこともよくあります。外国語環境で働くことで、やはり「外国語力それ自体は武器にはならない。勝負すべきは実務での専門性や経験」ということを痛感しています。

マイノリティとして生きること

海外赴任をするにあたって、自分個人の人生で一番価値があると思っているのは、「外国人として、つまり社会のマイノリティとして生きる」という経験です。

上海は世界でも指折りのグローバル都市であり、外国人もたくさん住んでいます。とはいえ、社会を構成する大部分は中国人であり、自分の会社もほとんどのスタッフが中国人です。特に中国語をあまり話せない初期は、中国人スタッフたちからすると扱いに困る存在になりますし、時には自分の下手くそな中国語に対して少しバカにするような態度をとられることもあります。レストランやカフェなどでも、「何言ってるかわかんねえよコイツ…」という怪訝な顔をされることもやはりあります。

元メジャーリーグのイチロー選手は2019年の引退会見でこんなコメントをされました。

「アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと、アメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。」

この言葉は、海外に住んだことのある多くの日本人の心に刺さったのではないでしょうか。海外で、マイノリティとして生きる経験の貴重さは、このイチロー選手の言葉に凝縮されていると思います。

孤独に耐えること

私が上海に赴任したのは2019年7月です。これは新型コロナウイルスのパンデミックが始まる半年前。私はギリギリ、「通常の上海」を体験することができました。その後残念なことに、2020年、パンデミックが始まってしまい、中国は厳しいゼロコロナ政策時代に突入しました。

コロナ後の中国では、外からの入国者に対して厳しい水際対策がとられています。2020年から2022年の途中までは入国後2~3週間の隔離、2022年の7月以降も10日間の隔離が必要とされています。そのような水際対策があるため、日本から観光客は来れない状況が続いていますし、我々在中日本人も、簡単に一時帰国することができなくなってしまいました。

私もその中で日本の家族や友人に長期間会えない期間が続いています。元々社交的な性格でもないため、上海での交友関係も限られています。このような状況で、一人の時間が好きな自分ですら、孤独を感じることも少なくはありません。海外で一人で住み、ひたすらに日々仕事と向き合うこの3年間は、まさに孤独に向き合ってきた3年間となりました。

ほんのちょっとの(?)海外手当

さて、最後に言及することになってしまいましたが、海外駐在を目指している方が実際気になるのは、赴任手当等の収入アップではないでしょうか?これは実際には、あります。もちろん会社によって状況がかなり違うと思います。ここでは詳しく書くことはできないので、どうしても知りたい方はDM等でご連絡ください。

以上、私が3年間の海外赴任を通して、学んだこと・得たことをまとめました。海外で働くということを将来考えている方の参考になるととても嬉しいです。

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