見出し画像

食べて、歩いて、北海道に恋をして( 後半 )

新婚旅行で3泊4日、7月初旬の北海道に行ってきました。前半2日間はこちらに綴ったので、こちらの記録は3日目から。

3日目 : どこに行けども美味しく美しい街( 小樽/札幌 )

予め宿泊先のホテルに荷物を預け、身軽になったところで電車で小樽へ。札幌駅から電車1本で行けるアクセスの良さも魅力的!着いてまず、駅前の道からドーンと1本まっすぐに開けた景色の大きさに驚く。運河のほうに向かって続いているのか、スコーンと切り抜いたような景色。写真に残そうと思ったけれど、大きさや雄大さ、美しさがちっとも伝わらなかったので撮るのをやめてしまったほど。やっぱり己の眼球に叶うレンズは無い。

ということで三角市場へ。
いろいろと調べてくれていた夫曰く、少し歩いた先に地元の方々も増してご贔屓になさっているような市場があるようだけど、いいのですこれで。コスパ良くとかじゃない旅も必要。観光客向けの場所だとしても乗っかりましょう観光客ですから!

と思いつつ並んだけれど。

まあなんてお美しいの

ねえ、観光客向けって言葉の意味知ってる?????
海産物が輝いている……北海道で出会う海の幸は本当に「海がもたらす宝」という感じがするな。尊い。
さんかく亭というお店で3品選ぶ海鮮丼をいただきました。
そこそこの品数あるのに2品被る我々、仲良しだな。

ドーーーンと大きい海鮮丼!!という感じではなく、小さくZipポーズをするときに上品な女優さんが描く丸くらい( どういう表現? )の大きさ。これくらいを求めていたの……少なすぎず、お米で嵩上げされている訳でもなく、でも大きすぎない……理想。あとお味噌汁が美味しかった。

腹ごしらえが済んだ後は、小樽運河クルーズへ。

水の流れと一緒にゆっくりと進んでいく

クルーズという名ではあるけれど、イメージとしてはディズニーシーのベネツィアンゴンドラに近い。船からしか見られない、水面の近さや海の広さ、橋の下ギリギリを通っているときのひんやりとした感覚、どれもが新鮮。小樽の歴史やこの運河がどのように使われ、どのように使われなくなり、どのように残されてきたかの歴史についてガイドさんが説明してくださるので面白かった。石焼き芋にでもなったのかと思うほどジリジリと暑く、貸し出してくださる団扇で仰ぎつつ過ごす。
この暑さで端から端までは歩けなかったろうから、いい時間の使い方だったな。

ポストカードのような街並み

クルーズを降りてから見る街並みは解像度が違って面白い。さっき説明してたのあれか、とか、こうやって見るとちっちゃく見えるのにね、とか、好き好き話しながら歩く。

実際の線路跡が残っている手宮線跡では、使われていた線路がそのまま残っていて、かつての人々の息遣いを感じる。京都の蹴上インクラインでよく見るような、線路の上で写真を撮った。

酔って線路に侵入した人?

ちなみにここまで何も書いていませんでしたが、薄いシアーシャツか半袖Tシャツで過ごしました。日中は心地よい陽気〜耐えられる暑さ、夜は少し肌寒い日もあったので、寒がりの夫はUNIQLOのUVポケッタブルダブルパーカーを羽織ってました。暑がりのわたしは日焼け防止アームウォーマーで対応。ダサいけどしょうがないね!旅先あるあるです。

ここでおやつタイム。デニルタオさんへ。
ルタオ本店のお向かいにあるお店。ルタオのチーズクリームをデニッシュ生地で包んだものやアップルパイが有名だそう。テイクアウトもできるようだけど、座って休憩したいので店内にお邪魔しました。

なにも伝わらない写真

美味しかったね〜と話しつつ、ガラス細工のお店が集まるエリアへ。
ほんっっとに沢山ガラス細工のお店があり、しかも一言でガラス細工といえども、ツルリとしたものもあれば外が少しざらりとした質感のものもあり、面白い。気付けば何故かあれよあれよとミッフィーショップに吸い込まれ、箸置きを購入。あれ?あまりにも可愛いがあまりにも大きい箸置きは、観賞用として一匹だけお迎えした。鏡の前のアンティークコーナーに仲間入りさせよう。
もともと食卓に毎回箸置きを使う我が家。旅の記念に箸置きが欲しいねと話していたので、小樽ガラスらしいものも購入しました。こちらは最大級の規模を誇る北一硝子さんで購入。

新しくお迎えした箸置きたち

箸置きを無事お迎えして、小樽を後にしました。
ちなみにこの後、快速エアポートをタッチの差で逃し、駅でただポツンと待つ&函館本線( こちらは+20分くらいかかる ) で帰ることに。まあこれも旅の一興。

小樽駅から帰った後は、駅の中にある北海道四季マルシェでお土産を買い漁る。各自の実家+我が家で3分割してちょっとずつ食べよ〜と、白い恋人やじゃがポックル、三方六、六花亭バターサンドの代わりに同じ会社の大平原などを購入。どれだけあっても瞬殺でお菓子が無くなる我が職場には、白いブラックサンダー+しろくまバタークッキーを数箱購入しました。
そして本日のお宿へ〜!


ラグジュアリーなホテル!みたいなものもそこそこ憧れはあったし視野にも入れていたのだけど、そこに合わせて服や靴が増えるのは本末転倒だよね、ということで検討から外した。

3泊の計画として、
①リゾート地なのでとりあえず泊まれたら
( なので正直、?と思うところがあったり無かったり……「次来たとしてもここに泊まるー!!」と自信を持って言えるか微妙だったので、初日のお宿は割愛しました )

②中日は疲れてホテルでゆっくり過ごすことに振り切ってもホテルで楽しめる場所にしよう
( ここで言う「ホテルで楽しめる」はコンテンツが多いという訳ではなく、どこに行けども宿泊先で各自読書タイムが発生することが多いので。各自文庫本2冊ずつ持って行ってました )

③朝ごはんが美味しいところ。多少値が張ってもどんと来い!
という感じで選びました。
自分たちの身の丈と体力とやりたいことに見合っていて、3泊通して良い計画だったなあと。

ホテルのお部屋でお土産を分けて詰め、ホテルから各自の実家へお土産を、我が家へスーツケースを送りタスクは完了。帰りが身軽でいいね。

夜ごはんは札幌アピアにあるRojiura Curry SAMURAIでスープカレーを。

野菜と鶏肉で渋滞している

これでもかと野菜がたくさん!野菜不足を感じていたので嬉しい〜!鶏肉は煮込みのほうを選んだらホロホロしていて美味しかった……
少食ふたり、欲を出していももちやらザンギやらをトッピングで頼んでそのまま食べていたら、かなりお腹いっぱいに。ご飯少なめにしたのに……お腹に余裕が必要だった。とはいえ着々と北海道グルメを食べられていて嬉しい限り!食べてばかりで3日目も終了。

もう明日帰るなんて早いね〜……と名残惜しくなり、やたら2人であちこちを歩いて帰りました。3泊4日、ほんとうにあっという間。この楽しい時間がずっと続けばいいのに。なおこの時点で翌日の予定はチェックアウトの時間と空港から飛行機に乗る時間しか決まっていない。そういう行き当たりばったりなところ、好きです。

4日目 : 最後までずっと期待を裏切らない場所( 円山動物園/新千歳空港 )

最終日。ホテルの朝食ブッフェからスタートです。サイコーの目覚め!毎日これであってほしい!

ブッフェ、性格と欲とセンスが透けて見える

海鮮丼があったんですけど、あの、採算取れてる大丈夫?ドッサリとイクラをかけましたよ?いいんですね?と偉い人に確認したくなる。贅沢。普段の倍以上お米を朝からいただきました。

あとこれは嬉しい誤算だったのだけれど、なんと九州のお醤油がありまして!そうだよね、西鉄ソラリア系列ですものね。懐かしい〜よく行ってたんだよ〜とドンピシャ地元を懐かしんで取ったホテル。ありがたい……!
とはいえ北海道のお醤油は関東のお醤油に比べると少し甘めで九州のお醤油に味が近かったような気がする。お刺身やお寿司をいただくときは未だに実家から送ってもらったものを使っているので、嬉しかったです。
あと、奥に小さく見えているジャガイモも美味しかった……この日はきたあかりでした。サツマイモのように甘く、ほっこりとしたお味。


たんまりと朝食をいただき、お部屋に戻ってから作戦会議。行き当たりばったりすぎて、飛行機に乗るまでの約5時間の空白。お天気を見ながら、円山動物園を目指すことにした。

陸のしろくま
水のしろくま


クチコミに実はあまりよろしくないコメントを目にしていた。とはいえ「まあお散歩がてら歩いてシロクマが見られたら充分だよね〜」と向かうことに。たしかにクチコミにあったように、チラホラ空っぽの檻があり( 動物が亡くなってしまい、お招き中らしきところもあった ) さ、寂しい……と思うところもあったけれど、それもまた動物園の在り方だよね、と。水族館が好きなくせに何をという感じではあるけれど、やはり本来自然にいるべき動物を人間が鑑賞すべく囲んでいるというのは人間のエゴであって。だからこそ、動物がどう生きてどう死にゆくのか含めて見つめていけるといいな。

何年か前からてんかんを繰り返しているクマがいて、そこのガラスには「倒れているのを見かけたら近くの飼育員までお知らせください( 意訳 )」と書いてあったのが印象的だった。可哀想だから、見てられないからと後ろに下げたり他所にやったりするのではなくて、それもひとつの姿として見つめていく場所なのかなと。

クマ!クマ!!クマ!!!という感じで、もちろん他の動物も沢山いるけれど、こんなにシロクロ種類も違うクマがいるものかと思い興味深かった。
ところでどうしてシロクマのほうが大きいのに、黒いクマのほうが圧倒的に怖いんでしょうね?

そして円山からホテルに荷物を取りに行き、新千歳空港へ。あっという間だった……旅が終わってしまう……さみしい……ので、最後まで北海道グルメ祭りを挙行する。

なんだこの新しい出会い

新千歳空港内にある「欅」さんに。
もともと豚骨ラーメンの街で生まれ育ったので、実はちゃんと味噌ラーメンを食べるのは人生初。15年ほど前に家族で北海道旅行に行ったとき、父が食べていたところを一口貰ったきり。それも食べた感想が「これ味噌汁に麺入れてる?」だったから、正直味噌ラーメンにあまり良い印象は無く……でも口に合わないとしてもそれはそれで観光だし、思い出だよね、と言いつつ思いつつ、一口。

なにこれ?

スープを飲んだ瞬間ブワッと広がるコク深さ。美味しい!夢中になってハフハフズルズル。あっという間に完食した。ひさしぶりに人生で初めて出会う、知らない味に出会った。年を重ねるごとに減りゆく「初めての味に出会う」というこの経験がまだ残っていたことが嬉しい。美味しかったです。

最初から最後まで北海道で出会うものはず〜っと美味しかった!これにて北海道旅行、完結🐻‍❄️!

旅の終わり

新千歳空港から羽田空港に降り立ち、真っ先に出た感想が「「あっっっっつ……」」。思わず夫と声が被った。
薄い長袖で心地よく過ごせる気候から、急に灼熱へ。もともと体力に自信がない2人なので旅行の泊数は抑え、新婚旅行期間としてそれぞれ職場からいただいた休暇のうち、プラスでわたしは2日、夫は3日の休暇をいただいた。その期間中ず〜〜〜っと寒暖差にやられてグッタリ……何も食べたくない何もしたくない……となる中でなんとか旅費の精算を済ませ、北海道は良かったよね○日目のあれ美味しかったねと思い出に浸りつつ過ごした。お土産として持ち帰りしあれこれも美味しかったなあ。



件の感染症が流行るご時世の中で結婚した。
5類に移行して少しずつ世の中が共存し始めているとはいえ、医療職のわたしが海外に出るのはまだ少し難しい。
国内だったらどこにしようか、と話しているとき、本当は和歌山を中心に関西に行く予定だった。知り合って間もない、まだ直接会ったことがない頃に「本物のパンダを見てみたい」「いつか和歌山アドベンチャーワールドに行ってみたい」と話していたから。

そんな中で実際に結婚し、生活をしている中でなんとなく「北海道もいいね」と話したところから行き先を変更した旅だった。
その後、夫が出張で関西に出向くことが増え、毎週関西にいるような生活になったので、結果としては北海道で良かったなと思う。( もちろん関西も行きたいし、というか絶対にいつか行く……! )

一生に一度の新婚旅行。きっともっと詰め込んで効率良く多くの観光スポットを回ったり、少しずつグルメを食べ進めたりすることもできたのだろう。でも自分たちにはこの旅が最適解だったな、と思う。生活のひと続きみたいな心地良さでいつまでも一緒に過ごせることが本当に嬉しかった。帰ってきてからも「あのときのあれさ、」と2人だけの共通キーワードが増えたことも。こうして少しずつ日々を重ねながら、たまにはこういう特別な日が楽しめたらいい。


北海道、大好きになりました!また行きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?