時の天皇と交信する(京都・加茂みたらし茶屋)
本日6月16日は「和菓子の日」。
………謎すぎる。
語呂合わせでもなければ、「ポッキー&プリッツの日」のようなお菓子の形状をかたどった設定でもない。一体、誰の仕業かと思って調べたら、天皇だった。西暦848年の6月16日に仁明天皇(お勉強チック!)が16個のお菓子やお餅を神前にお供えし、疾病を除け健康を祈願したことが始まりとのこと。
病気に対して何をすれば治まるのか、防げるのかわからず、ただただ神頼みするしかない当時の社会状況が透けて見えるけど、この「他人のために祈願する」という思いや行為が和菓子の根っこにあるような気がする。
で、思い出すのが「みたらし団子」。
みたらし団子の発祥は京都・下鴨神社。その下鴨神社から徒歩3分にある「加茂みたらし茶屋」の団子ポジションが独特。
(おそらくみたらし団子)
(先頭から1:4の配置)
1番先の団子は頭を、残りの4つは四肢を表し、厄除けの人形をかたどってるそう。これを神前に供えて、祈祷を受けた後に持ち帰って醤油をつけて食べたのがみたらし団子の歴史。これは後醍醐天皇の時代。
「加茂みたらし茶屋」のみたらし団子軍は小ぶりで食べやすい。そんなみたらし団子を食べながら、後醍醐天皇やその時代の人と自分が時空を超えて交信している気分になった。「きみの健康を願う!」という声が聞こえてきそうだった。本当に聞こえたら自分の健康を疑うけど、「健康を願う当時の気持ち」をみたらし団子を通じて受け取るのは、素敵な行為だと思う。
健康に限らず、お菓子を通じて思いを受け取る。
これが美味しさの先にある、和菓子の魅力。
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