『わかったつもりは、わかってない』 (京都「栖園」)
京都はほんの数回行っただけじゃ到底わからない。寺社仏閣も店も行きたい場所がありすぎる。
お寺だけに限っても春夏秋冬ごとに見せる顔があるわけで、首都圏に住む寺社仏閣ラバーの私からすると、京都のすべてを知りたくてもその道のりは果てしない。
打ちひしがれる私に追い討ちをかける店を見つけた。
地下鉄の烏丸御池駅を降りて高倉通の奥にある「栖園(せいえん)」。
雰囲気のある暖簾をくぐると待っている「琥珀流し」。
「琥珀流し」は寒天と月替わりのシロップやトッピングを味わえる「栖園」の看板商品である。
3月は米麹の甘酒に橘のゼリーが乗っかり、生姜のアクセントが効いていた。
歯を入れると崩れる寒天の脆い美味しさと
体に優しそうな甘酒の味が心穏やかにしてくれる。
他の月はというと、
4月 桜花
5月 抹茶小豆
6月 梅酒
7月 ペパーミント
8月 ひやしあめ
9月 ぶどう
10月 くり
11月 柿
12月 黒糖
らしい。
数年前まで 1~3 月は休みだったらしいけど、
1月はキャラメルミルク、
2月はチョコあられ、
3月は甘酒の「琥珀流し」を出しているみたい。
「琥珀流し」を好きになったのに、
まだ見せてない顔があると思うと悲しい。
好きなのに距離感がまだまだある。
縮めるには月ごとに足を運ぶしかないけど、
なかなか難しいからちょっと絶望すら感じる。
ミステリアスな「琥珀流し」。
でも、違う味を食べた時に「こんな一面があったんだ …!」という瞬間を残しておけるのは嬉しくもある。次に食べる時が楽しみだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?