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桜を食べるってエロくないですか(熱海「一楽」)

4月から学生→社会人になった。

「いろいろ覚えなきゃーー」「新しい環境に慣れなきゃーー」と目まぐるしい日々を送っていたら桜が散っていた時の悲しみたるや。

桜は満喫できなかったけど、
桜を食べることの謎が解けた春だった。

いつからなのかは定かではないけれど、開花を待たずして大手のカフェチェーンでは「さくらラテ」的な春限定商品が出始めるようになった。

私が数年前にアルバイトで働いていたカフェチェーンでも、当時「さくらラテ」を出していた。杏仁豆腐の味がしたが、花びらを食べた経験がなかったので、「桜の味を再現できてるのか」疑問が残った。でも「さくらラテ」は飛ぶように売れた。

その頃から「桜ってどんな味がするんだろう」という疑問を春が来ては思い出す、を繰り返していた。

3月、疑問の輪廻転生にピリオドを打つ機会を熱海で得た。

「一楽」は熱海駅を出てすぐの平和通り商店街にある和菓子屋さん。

季節の商品「あたみ桜最中」には、塩漬けした桜の花びらが入っている。

桜の味は、桜餅の味がした。
当たり前すぎた。

(桜餅が苦手で敬遠してたのと、桜餅は桜"風"餅だと思っていて桜を使ってないと決めつけていた浅はかな自分よ)

でもそれ以上に春を食べてる感じがした。

何で桜を眺めるだけに留めず、さくらラテにしろ、桜最中にしろ、わざわざ舌で感じられるように加工するのか分かった気がする。

「食べちゃいたいくらい好き」なんだ。

桜を食べ始めた経緯って、「桜が大好きすぎて、眺めてもそれなりに満足できるんだけどそれだと遠くて、もっと自分と重なる一体感があれば満足するんじゃないか」みたいな思考があった気がする。

舌と胃で桜と自分を融合する。
桜を食べることってなんだかエロい。
いい意味で変態。そういうの好き。

御菓子処 一楽
静岡県熱海市田原本町5-5

#noteおやつ部 #和菓子 #熱海 #エッセイ

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