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#38 ロンドンでランチ代をケチるのはよくない 30代からの英国語学留学記 2018年3月03日その4

ウエストミンスター寺院で予想異常に時間を使いすぎ、いつの間にか14時を過ぎていた。もうとっくに昼飯時を過ぎている。

朝食が何とも残念な感じだったせいもあり、空腹へ抗うことが困難になってきた。早く何か口にせねば!!


だが始めて来た町、ロンドン。土地勘が全くないため何処に何があるのかさっぽり分からない。

ここウエストミンスターにはご飯処はないことは容易に理解できたのでグーグルマップを見て繁華街ピカデリーサーカスがあると思わしきエリアまで北上する。



政治と線香の匂いが強いウエストミンスターから活気ある商業地区への変遷を感じつつ、テムズ川沿いを悠々と闊歩るのはanglofileな僕にはたまらない。

嗚呼、俺はイギリスに、ロンドンに来たのだ!という感動に襲われる。

やっぱイギリスといえばロンドンだよな!

と、ウキウキ気分でロンドンの繁華街の一部に踏み込んだのだが、丁度よく独りでランチを取れそうな店が全く見つからない!

流石にロンドンの商業地域、お店、レストランは沢山ある。


だがどこも高い。滅茶苦茶高い。

当たり前のように最低料金でふら15ポンド超えの店ばかり。
日本円にして2000円。これで一番安いレベルである。

それにくわえてテーブルチャージやら何やら追加費用がかかるらしく、ランチだけで3000円は普通に超える。

普段食しているオックスフォードの屋台やオヌール推しのケバブ屋の3倍近い費用にたじろいでしまった。

半端に学生向けランチの値段をなまじっか知っているため、ロンドン繁華街のランチ料金の高さにビビってしまう。

だがこれも折角の機会故、ケチケチしないでものは試しに何事も経験 ! と意を決して適当なレストランの中を覗いたのだが、独りで食事をしている人間なんぞ全くいない。

何件か見て回るが、どこも複数でちょっと遅いランチを楽しんでいる。

一人で飯食ってる哀れな人間は華の都ロンドンにはいないのだ。

ましてや僕は三十路のugly asian male
マッチングアプリで最も蔑まれるカースト最底辺属性。

そんな人間が、洒落たロンドン中心部のレストランで単品ランチなんぞ許される訳がない。

別にアパルトヘイト化の南アではないので、僕が独りでランチを食べても勿論問題はないし、露骨に差別的扱いをうけることは勿論ないことは分かる。
寧ろオックスフォードよりも上品でフレンドリーな気配がする。

だがこのエリア全体を包むポジティブで活気と気品ある雰囲気が、僕のような孤独中年アジア男性を非常に強く気後れさせてしまう。



散々逡巡したが、入れそうな店が全然見つからない。しかし空腹はピーク、そして氷点下の寒さに心身ともにダメージをかなり負っている。

もうThe ロンドン的な店で優雅にランチなんぞ贅沢は言える余裕はない。

今まで旅行先でメシ所で悩んでドツボにハマり食べあぐねる、という経験を何度もやらかしてきた。

旅先で空腹に苦しみ無碍に歩き続けるのは悲惨そのものなので、泣く泣くイギリスのチェーン、Pret A Manger(プレタマンジェ)に入る。

オックスフォードでも何度か訪れたチェーン店にわざわざ初ロンドンで訪れる愚かさよ。

いやいや、無理してでも適当なロンドンらしいお店でランチを取るべきだったと今でも思うのだが、色々と追い込まれていたから仕方がないのだ!

この一目では何と発音すれば良いか分からない店は英国では超有名なチェーン店で本当に至る所にあり、ウリはサンドウィッチと日替わりスープ。

店名はフランス語で「できたての食事」という意味らしいが、イギリス発のファストフードチェーンであり、フランス要素は全くない。

そしてイギリス人はPrets(プレッツ)と略して呼ぶことが一般的らしい。
イギリス人の大半はフランス語が話せないし、学ぼうとする気がない人間が多いからとのこと。

フランス語の店名だイギリス発祥のサンドウィッチを売るイギリス生まれのチェーン、というのも何とも複雑である。

そして後で仲良くなったネイティブ英国人曰く、「店名が如何にもイギリス風な名称の店だったら誰も入らないだろ?」とのこと。

身も蓋もねぇ話だが、自国の料理がマズイということを彼らも自覚しているのか!

この妙に入り組んだ所がいかにもイギリスらしさ溢れるチェーンだと個人的には思う。


料理が美味しくないことで世界的に有名なイギリスではあるが、ここPretsは料理が美味いことで世界的に有名なフランス風の名を名乗っているだけあり、名物であるサンドイッチも、日替わりスープは結構美味しい。

そして一つあたり2から4ポンドと値段も安くて気軽に買える。

久々に屋内に入れたのと、オックスフォードで何度も入っていた故勝手がわかっていたこともあり、緊張の糸がほぐれてしまった。

調子に乗って爆買い

サンドウィッチ、バゲット、日替わりスープ(まさかのトムヤムクン風スープ、もはや欧州ですらないが旨かった)、(イギリスのカフェにやたら置いてあるエスプレッソを水増しした量が多くて安い)アメリカーノコーヒーを頼んだ結果、普通に15ポンドと結構な金額になってしまった。

普段オックスフォードのランチでは5-8ポンド程度なのに2倍である。しかもチェーン店で。

だったら意を決して道中のレストランで食事を取ったのと何ら変わりないじゃないか……

金銭的な面だけで躊躇した訳ではないから!!ロンドンの煌めきが極東アジアのオッサンには眩しすぎただけだから!!

自分の愚かさを噛み締めながらチェーン店のランチを満喫。

だがお腹が膨れると急に元気が出てくる。ブドウ糖の補給は大事!

寒さも何のその、再び繁華街を北上し、天高く聳え立つモニュメントが特徴的などでかい広場のトラファルガー広場に到着。

トラファルガー広場


トラファルガー広場と言えば頻繁にメディアにも登場する超有名なランドマーク。実態は特にこれと言って何もないコンクリート造りの広場だったのだが、あこがれの国・イギリスの有名スポットに自分が今いる、というだけで満足。過去の自分に言ってやりたい。「30歳の自分はトラファルガー広場歩いているぞ、だから辛いことあっても頑張れ!!」

そんなこんなで数十分歩いて目的地であるピカデリーサーカスに到着。
ロンドンの繫華街を満喫できるのだろうか。


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