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恵まれすぎた私の、なれの果て。そして今。

思い返すと、私は恵まれていたと思う。
教員として働く両親のもとで、家族仲良く何不自由なく育った。
勉強はわりと得意なほうで、中学受験はあっさり成功。
そのまま県内トップの高校に進み、国立大学に合格した。

大学卒業後には
医療関係の、いわば「安定の」専門資格を取って
20倍の競争率から総合病院の内定を勝ち取った。

これまでの人生、天才とは言えずとも、
自分が不器用な人間だと思ったことは一度もなかった。
そんなに頑張っているつもりはなくても、
比較的、そこそこ、なんとなく全てをこなせてきたからだ。

ピアノを始めたらコンクールで受賞したし
スポーツ系の部活でキャプテンになったこともあったな。


それなのに、私はいつも自信がなかった。
いや、「それだから」自信がなかったのかもしれない。

何か目に見える結果が、順位が、客観的な評価がないと
自分を認めてあげられない性格が完成していたのだ。
「私さえよければ、それでよい」そんなこと一度も思ったことはない。
周りから「出来る子」と思われたい、それが全てだった。

そんな私が、「もったいない」と呆れられながら
正社員をあっさり辞めたのだから、自分でもびっくりだ。

webライターという仕事に出会い、フリーランスになり、
上手くいかないことの方が多い毎日を送っている。
これまでの肩書きや学歴なんて、ほとんど通用しないし
「なんの仕事しているの?」と聞かれても上手く答えられない。

明日のことなんか分からない世界で、
もがいて、悩んで、苦しんで。必死だ。

それなのに、今が楽しくて仕方ない。
自分の好きなように生きることが、こんなに幸せだったなんて…

いまだに家族や友達からは
「怪しい仕事…してないよね?」
「病院辞めて…もったいないね本当に。。」
とあきれられたり、そうでなかったりするけど。
住宅ローンの審査に通らなかったりするけど。

自分を好きになるのに必要だったのは、
周りからの評価じゃない。
何事もうまくいく人生だけが、
幸せとは限らない。

そんなことにようやく気付いた、
今年30になる女です。

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