見出し画像

28歳

別に、何者かになりたいわけじゃないのだけど
ただ、何かに誰かに選ばれたかっただけなのだけど

ささいな日常に幸せは溢れている、なんて
そんなことはとっくに知っているのだけど
お風呂上がりに飲むビールがおいしいだとか
たまに夜ふかしをして映画を観るのがたのしいだとか
そんなことももう、とっくに知ってしまっているのだけど

一人でも二人でも楽しく生きればいいとか
続けても辞めても自分らしくいられればいいとか
そんなこと頭では分かっているのだけど
年齢になんて縛られずに自由にやればいいとか
そんなことももう、何度も言い聞かせているのだけど

何を選んでも地獄
どこに行っても地獄
結局、時は止まってはくれないし
結局、自分は自分でしかないし
結局、いつまで経っても一人なのだから

結婚しているとかしていないとか
子どもがいるとかいないとか
どんな仕事をしているだとか
人と比べるだなんて無意味なことを
一体いつになったらやめられるのだろう

ステージが変わってしまったから
人の悩みに心から寄り添えなくなって
自分の悩みも打ち明けられなくなった
一体いつになれば寂しくなくなるのだろう

あともう少ししたらさ
「28歳」でもいられなくなってしまうよ

一人で理由もなく泣いてしまう夜を
いつか慰めてあげることができますように

健やかに文章を綴るためにアイスクリームを買いたいです。読んでくれて本当にありがとう。