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#0 南フランスと私 "決意"

幼い頃に見た夢と私の世界観の原点、
そして19歳の頃の夢。
2022年、南フランスへ行った。

そして行く前、決意したときのお話。



私の家族の話になります。

この2年間の中で両親が癌で他界した。


余命宣告を受けた母よりも
なあにも知らされず、先にいってしまった父。
その後余命よりも長く生き延びてくれた母。
姉と3人で家族団欒、最期の時間を過ごした。
川の字で3人で寝ていたところ、
父が迎えに来た。

いつかはその時が来ることなんて分かってる。
でも、2人ともまだ若かった。
結婚式だって父が一緒にあるいてくれるんだとおもってたし、子供だってまだだったのにね。
毎年家族で行くラベンダー畑にも、もういけない。
もっと楽しい未来の時間を一緒に過ごしたかった。
私にはまだ早い話だった。

母の余命は前から聞かされていたけど、
母までもの死の覚悟なんて信じられないし、
後のことなど本当に考えられなかった。
夏には一緒にガーデニングやドッグランを汗水垂らして作り上げたし、いっぱいご飯だって食べてる。
仕事だって行ってた。

現実を受け入れるのにも時間がかかった。
その時がいつになるのかも、未来がどうなるのかもわからなくて、暗く落ち込んだ。
家族のことももちろん大事だけど、私には仕事もこれからやりたいこともあった。今を大切にしたいしどうしようかと悩み、もがき続ける日々を過ごした。

母が亡くなる3ヶ月前。
東京にいる私と姉に、
もう先が長くないと母から連絡があり、
仕事を少し落ち着かせて、北海道へ帰った。

11月10日。その日は私の26歳の誕生日。
母と地元の大好きなケーキ屋さんで
ケーキを買って2人で過ごした。

ー 来週はママのお誕生日だね。

ー もうケーキなんて小さいのしか食べられないよね。

楽しく話しながら、こうしてお祝いしあうのも最後なんてね。


母が元気なうちに、姉と最後に旅行した。

北海道の最北端の稚内へ行った。

ホテルの海の見える部屋で
窓辺で海を見ていた母が、

幸せになってね!!!
幸せになるんだよ!!!!


と明るく大きな声で言っていた。


毎度毎度、涙がとまらなかった。
泣き虫すぎる私。
母の前では笑顔で居てあげたいとって思ってても
すぐ泣いてしまっていた。


でも、もう、落ち込んでいられない。


母が亡くなっても、
悲しみをずっと引き摺らないように、
前へ向く方法を考えた。

頭に浮かんだのは、
ずっと夢見ていた南フランスのことだった。


行こう。

母といっしょにいる間には、
フランス語の勉強をしよう。
もしその時が来た時、南フランスへ向かおう。


母にも素直に言った。

"しっかり前向いていたいから4月に大好きなフランスで勉強してくるって決めた。"


今更止めもしなかった。
いってらっしゃい の一言だった。



自分を取り戻せる場所に行こう。
そうすれば乗り越えられるかなって思ったの。


決意した日には、希望が持てた。

フランス語の勉強を始めて、
残りわずかな母との大切な時間を過ごした。



大好きなものを追求していくこと。
それはどんなことがあっても乗り越える力になる。

人生の学びのような心に刻まれた言葉です。

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