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ベンチャー向きの判定は「ギラギラ度」よりも「だけど」だと思います

私は公務員から第二新卒で社員10数人(当時)のベンチャーに転職しました。大手を含めてもう一度転職活動をしましたが、しっくりきたのはやっぱりベンチャー。いわゆる「安定&終身雇用」な環境から、すっかり「ベンチャーの人」になりつつある今日このごろ、ベンチャー転職についてもよく相談をいただきます。

特に多い質問が、このふたつ。

「ベンチャーって、やっぱギラギラしてる人が多いの?」
「自分は
ベンチャーに行っても大丈夫かな?

この2つの問いに対して、当事者なりの答えを考えてみようと思います。

みんながみんな、ギラギラブラックじゃないよ

こうした質問をする方にとって、ベンチャーに抱くイメージってこんな感じじゃないでしょうか。

「爆速で出世するぞ!」
「ストックオプションもらって一攫千金!」
「徹夜も土日勤務も、事業成長のためならバッチコイ!」

もちろんこういう方もいるかもしれませんし、本人が納得しているなら、そのあり方を決して否定しません。

が、私の周りにいる方々は、そういう方ばかりではありません。穏やかな職人気質な方も、ワークライフバランスを大切にする方もたくさんいらっしゃいます。私自身、仕事で終電・徹夜に見舞われたことはありません。先人たちの汗と苦労のお陰もあって、令和のベンチャー(少なくとも、従業員クラス)は格段に働きやすくなりました。

ここ数年は資金調達のハードルも下がり、いわゆる大手企業と変わらないオファーを出せる企業も増えてきました。最近は、第二新卒クラスでも転職エージェントからベンチャーを勧められることも多いみたいですね(エージェントを利用すると、採用側は年収の3割ほどの成果報酬が発生します。採用予算が潤沢でないと、難しい選択肢です)。

1つ目の問い「ベンチャーって、やっぱギラギラしてる人が多いの?」については、「そうでもないよ」というのが、私の答えです。

会社選びも、部活選びも、根本はたぶん同じ

2つめの問いにお答えするまえに、閑話休題。
あなたは学生の頃、何を基準に部活を選んでいましたか?

・今までやってきたことを続けたい
・先輩がカッコイイ、雰囲気が良さそう
・なにこれ面白そう、自分もやってみたい!
・ここにいれば成長できそうだな
・バイトや受験勉強と両立したいな

私がざっと思いついたのは、こんな動機でした。

さて、自分がトップにならない以上、何もかも理想通りの部活は、なかなかありませんよね。「この部活/習い事をやりたい」と決めたとき、無意識にでも何かしらの「だけど」に目をつむっているはずです。

・今までやってきたことを続けたい
 →先輩たちが怖そうだけど、レギュラーになって追い抜くぞ

・先輩がカッコイイ、雰囲気が良さそう
 →1年目は球拾いだけど、このチームなら頑張れそうだ

・なにこれ面白そう、自分もやってみたい!
 →通うのが大変だけど、楽しいから続けられるはず

・ここにいれば成長できそうだな
 →コーチが厳しくて実力主義だけど、そのぶん上達が早そうだ

・バイトや受験勉強と両立したいな
 →フルコミットよりも結果を出すのは大変だけど、ベストを尽くそう

人によって、目をつむれる「だけど」は違います。

例えばチームの雰囲気に惹かれる人は、先輩たちが怖そうな部活には「だけど入りたい」とは思わないはずです。
バイトや受験勉強と両立したい人が、夜遅くや土日まで練習のある部活に「だけど入りたい」と思うには、かなりの覚悟が必要なはずです。

これは会社を選ぶ時も、まったく同じだと思うんです。

私は第二新卒で転職するまで、会社選びを「一生を添い遂げるため、自分にぴったりマッチする場所を選ぶ重たい意思決定」だと思っていました。

でも、転職が当たり前になったこのご時世です。今は、働く会社を選ぶのと、学生時代の部活選びって同じくらいの重さなんじゃないかなと思っています(実感として、20代の転職は特に)。なにもかも自分にピッタリの会社を見つけるくらいなら、自分で立ち上げたほうが遥かに早いですしね。

ベンチャー向き判定は、不確実・不安定「だけど」

「だけど」の例えを会社選びの文脈に当てはめてみます。

・若いうちは下積みだけど、出世したら大きな仕事ができるぞ
・激務だけど、成果に見合う待遇があるから頑張ろう
・勤務地が遠そうだけど、同僚がいい人たちだからできそうだ
・前職より低い条件だけど、勤務が柔軟だからやりたいことと両立できる

もちろん生活がかかっているとか、ご家族の事情などで前提条件が変わるとは思いますが、それも部活に例えれば「門限がある」ようなものじゃないでしょうか。

ベンチャーの場合は、不確実・不安定「だけど」面白そう、成長したい、やりたいことがある……みたいに、ベンチャーのデメリットに対して「だけど」と目をつむれることが、楽しく働く上での必須条件なんだと思います。不確実・不安定「だから」面白そう、という方は言わずもがなですね!

逆に、どんなに出世意欲や一攫千金の夢があろうとも、不確実・不安定に「だけど」と言えない方は、たぶんベンチャーは割に合わない選択肢だと思います。

というわけで、2つ目の問い「自分はベンチャーに行っても大丈夫かな?については、「だけど」に注目してみて! とお答えしたいです。

ベンチャーで楽しめるかどうかを判定する要素は他にもいろいろあると思うのですが、まずは自分の「だけど」ポイントがどこにあるか、ぜひ自分に問いかけてみてください。そして「自分は野心的じゃないから」とベンチャーを敬遠していた方も、いまいちど検討してみてはどうでしょうか。

例えば私の場合は、自分が楽しく働くために必要なのは「世の中を良くしている実感があること」と「一緒に働く人たちとの相性」です。その点で、ベンチャーは解決したい課題と手段がはっきりしていることが多いですし、少人数で成果を出すためには人柄やカルチャーのフィット感がものすごく大切です。つまり、私にとって楽しく働ける環境があるなら、不安定・不確実に「だけど」と目をつむって余りあるメリットがあります。だから私は、ギラギラしてないけどベンチャーにいます。

コロナ感染拡大の混乱もありつつ、積極的に採用を続けているベンチャーも多々ありますし、その多くがWeb面談などで選考を受けられるはずです。弊社キメラも積極採用中です(Wantedly、是非のぞいてみてください)。

久しぶりにキャリアに関することを書きました。なかなか外に出られない今、休日で少しずつアウトプットを増やしてみようかなと思います。今後の更新も、どうぞお楽しみに!

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2020/04/11 めいこ

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