名犬アンディさんの日記発見される
かつて皿山の貴公子と呼ばれ、町内一の美犬とも言われ、
絶大な人気を誇った 名犬アンディさんの日記が発見された。
日記にはアンディさんの知られざる日常や不満がつづられていた。
また複数の名前で呼ばれ、自身のアイディンティティが
混乱した様子が 文面からうかがえる。
日記は師匠と仰ぎ尊敬していたつば九郎さんと, スヌーピーさんの
未完の小説 "暗い嵐の夜だった" に影響を受けたものと思われる。
・きょう おそとに でようとしたら
おにわが まっしろになっていた
ぼくはびっくりして いっしょうけんめい みつめていた。
おそるおそる ふんでみると にくきゅうが とってもつめたかった。
・ぼくさいしょは みんなから あんでぃて よばれてたけど、
そのうち あんちっちとか あんやまとか むさえとか
ちびたとか よばれだした。
だから なんかよばれたら とりあえず いくことにした。
・だれかが かえってきたり おきゃくさんが くるたびに
ぼくは だいかんげい ＋ おおはしゃぎの ぎしきをする。
そのあとは なにごとも なかったように またねる。
まいかい つかれるよ ふー。ためいき
・さんぽから かえってくると おうちに あがるまえに
いつも おかあさんに ばれりーなの ぽーずを させられる。
はい、あんちゃん ばれりーなって おかあさんが いったら
ぼくはうしろの かたあしを いっしょうけんめい
ぷるぷるあげて ばんがるんだ。
（ぼくのあしを きれいにしているらしい）
・きょうは あさから そとが ぴかっとひかって ごろごろ どどどんと
おとがしてた。 こわくて いそいで おかあさんたちの
ねてる へやのとを ばんばん たたきにいった。
・きょうは ももちはまに いった ぼくが おしりふりふりで
とくいげに あるいていると だれかに おしりを さわられた
くるっと ふりむくと ようじが はしってにげていった。
・まるがおの おんなのこが ゆかに しんぶんを ひろげて よんでいた
ちょうどいい ねどこだったので、うえにのっかって ねころがり
ついでに おならもした。
・おにわにでて、かきねの あいだから そとを のぞいてたら
ちびっこが ぼくを はっけんして
「おかあさーん こいぬがおるよー」
といっていた。 ぼくはかおが ちいさいだけなのに・・・
・ぼくはくるまは きらいだけど おでかけは すきだ
おでかけすると みんなが ぼくのかわいさに みとれている。
ぼくはるんるんで ふんふんふんと はなうたを うたいながら
とくいげにあるく。
・さんぽにいくと よくほかの いぬたちに ほえられる。
ぼくが かわいすぎるから みんな しっとしてんのさ・・・
ためいき・・・
・きょう おそとにでたら こさめが ふってて
ぼくのめが ほそーくなってるって
おねえちゃんに わらわれた。 しつれいな・・・
・ぴーぽーぴーぽーがくると、 ぼくのでばんだ。
ねてても いつでもどこでも ぼくの びせいじまん
たいかいが はじまる。
でもねおきだと こえがかすれて うまくでないんだ。
ぴーぽーが いってしまうと ぼくは はっと われにかえり、
はっ またやってしまったと はずかしくなって またねる。
（きんじょの ひとたちからは じゃいあんの りさいたると
いわれてるらしい・・・）
・あささんぽにいくと ちびっこたちが がっこうにいくのを
ぼくは おすわりして みまもるんだ。 そしたら ちびっこたちが
ぼくをみつけて さわりにくるんだ。
みんなかわいー ふわふわー おりこーとかいって ぼくをさわる。
ぼくは みみをぺたーとさせて しっぽをふりながら
なでてもらうんだ。
（ぼくは これを ちびっこたちの あんぜんを みまもる
ぱとろーるって よんでるんだけど
ぼくの ほんとうの もくてきは ちびっこたちに
ちゅうもくされて かまってもらうことなんだ
みてみて！ぼくかわいいでしょ！こっちきて！かまって！なでて！）
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