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退院。さようなら閉鎖病棟。

昨日の話だが、「看護師さん、すみません。冷蔵庫に入れておいたお菓子がなくなりました。」と看護師さんに話しかける患者。どうやら名前を書かずに冷蔵庫に入れてそれを誰かに取られてしまった模様。

こんな治安の悪い場所ともさよならだ。

慢性期病棟というだけあって1年〜数年入院している人まで様々だった。8割、9割が高齢者であって、面会にくる人はほとんどいなかった。いきなり叫びだす人、幻覚が見えているのかずっとニヤニヤしてる人、突然笑い出す人、支離滅裂な発言をする人。これは私の想像になるが、この人たちは家族に突き放されたのだろう。そして帰る場所を失ってしまったのだろう。
なんだか濃縮された裏社会を見たような気分だった。

転棟して初めて入院したときよりも日常のありがたさに気がついた。

好きなものを食べられること・自分で選べること、好きな時間にお風呂に入れること、服が汚れたら着替えて洗濯できること、夜更かしができること、スマホのカメラで写真を撮ること、苦手な人とは距離を置ける権利があること、自分の好きな環境へ行ける権利があること、時間を自分の好きなように使える権利があること、体を自由に動かせることができること、会いたい人がいれば自分から会いに行けること。そして何より私には帰る場所があるということ。

全部、一度失ってから気がついたこと。

もう一つ忘れてしまいがちなものがある。
それは自分の自信だ。
「とても賢いですね」「話し方が良い意味で年相応じゃない」「前より可愛くなったね」「綺麗な字を書くね」「顔が小さい」「手が綺麗」
そして「あなたは一人じゃないです」
私の周りの人たちに言われた言葉たち。
どうしていつもいつもこんなに大切なことを忘れてしまうんだろう。

忘れたくない。でも忘れちゃうんだけどさ。私の悪い癖だ。だからこうして文章を書いて形にして残しておくんだ。

iPhoneの写真のアプリ内に「死にたくなったら見て」というアルバムを作った。
効果があるかはわからないがトライしてみる。主治医が「名月さんはトライ&エラーを繰り返して勉強しているんですね」というように。

実際の「死にたくなったら見て」のアルバム


慢性期病棟に移ってから変更された主治医とは10年越しの再会だった。
結局3回しか会わなかったが「しっかりと話をまとめられていて、とても成長を感じられました」と言ってくださって少し嬉しかった。
もう会う可能性が低いと思うとなんだか寂しく感じる。さようなら、先生もどうかお元気で。

4回も入院して休学して太って、本当にどん底に落ちたなと思ってる。でも、どん底まで落ちたらあとは這い上がるのみ。マイナスからのスタートは成長しがいがある。一度、小学6年〜中学で経験したこと。不器用で遅れを取るかもしけないけど、少しずつ前を向いて歩いていければいいな。

隔離室に6日間、急性病棟に12(11日半)日間、慢性期病棟に10日間(9日半)、合計27日間。スマホが使えるようになってからは少し時間の流れが早くなったが、慢性期病棟に移ったとたんに時間がとてもゆっくり流れていくように感じた。

今日でこうやってnoteに文章を載せるのは一旦おやすみにします。また気まぐれに始めるかもしれませんが笑
これまでの記事を読んでくださった方々、ありがとうございます。みんな心身ともに健康でいてね。

最後に前を向いて歩こうと思える曲を一つ。
(ゲーム「OMORI」のエンドロールです。)

長くなってしまいましたが、以上、閉鎖病棟よりお届けしました。
さようなら、閉鎖病棟。

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