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親って大変だ。
久しぶりに妹とラインをした。
もうすぐ生まれる子供の話、名前の話、親の話・・・。
結婚も妊娠も妹の方が早く、姉としてアドバイスができることが少なくなっていることに少し申し訳なくなったが、とりあえず甥っ子に会うことが楽しみで仕方ない。
話の中で、自分たちの親の話になった。
『正直、放置された記憶しかない』と妹が話したのでびっくりした。
実は私も同じことを考えていたからだ。
両親は共働きで、父は会社員、母は医療関係者だ。
ほとんど祖父母に育てられ、祖母の料理を食べて育った記憶の方が強い。
大学芋におはぎ、漬物、炊き立てご飯、パセリ入りハンバーグに、薄ペラのお好み焼き・・・
祖母の料理は栄養満点でおいしかった。
祖父母と一緒に寝ていたし、祖父に勉強を教えてもらった。
祖母に絵の宿題を手伝ってもらった。沢山の時間を祖父母と一緒に過ごした。
実家でアルバムを見ると、遊園地や水族館
両親とも様々な場所へ出かけているのだが、ほとんど記憶がない。
どうやら日常のなんでもない瞬間の方が記憶に残るようだ。特に幼稚園~小学校の記憶が長く残っている気がする。
両親との思い出は、少しほろ苦い思い出が多い。
母が仕事へ行くのを泣きながら阻止したこと
母とパン作りをしていたら、病院から呼び出しがあって途中で中断したこと
今日御飯何?と聞いたら、聞かないでと怒られたこと
母の得意料理を思い出せないこと
大人になってからは、時間を取り戻すかのように、母からの物資や金銭の支援が多くなった。大人になってからの方が関りが増えたと同じことを妹も感じていたんだなと、かなり驚いた。
アラサーになって、こんな話をするのはみっともないと思っていたのだが、感じていた違和感を初めて妹に話すと不思議と楽になったのだ。
ーーそんな妹ももうすぐ親になる。
親になるって大変だ。
きっと両親は、必死で働いて、何不自由なく生活させたと思っている。
欲しい物も沢山買い与えたと思っている。
なのに、実際は放置されたと思われていて、祖父母と過ごした時間の方をよく覚えているなんて思ってもいないだろう。そして絶対に言ってはいけない。
自分が親になることがもしあれば、子供との時間を大事にしたいと思う。
でも現実それがいかに難しいことは、きっと親になって初めて分かるのだろうか。
子供の記憶の中に残るという見返りを求めないことさえも愛なのだろうか。
それは、親になってみないとわからない。
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