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「何かになりたい」のではなくて「情熱を燃やしたい」

長い人生の中で誰しも一度は何を上手くやってもうまくいかない「暗黒期」というものにぶち当たることだろう。

それが私にとっては2019年だった。

私の社会人経験に大きな影響を与えたと言っても過言ではない上司とその仲間たち。今思えば結構忙しかったしびっくりするくらいヤバい事案が沢山発生していたけど、心から共感できるサービスを仲間たちと情熱を燃やしながら育てていく...とても充実した毎日を送っていた。けれど、そんな楽しい日々は2019年の1月に終わりを告げた。諸々な諸事情によってその仲間たちと一緒にその会社を離れることになったのだ。正直会社はどうでも良かったけど、そのサービスを離れることが本当に悲しかったし悔しかった。

その後、転職して今の会社に入社したものの、正直当時はそこまで情熱は燃やせず本当にただ毎日「無難」に働いていた。休日はずっと家にこもってアニメを見てマンガを見る日々。その傍ら、読者モデルをやっている媒体の撮影に参加したり、せっせとブログを更新する...。それなりに楽しく過ごしていたけれど、なぜかいつも虚しさがそこにあった。毎日毎日私は何をやっているんだろうと思いながら生きていた。

そうこうしているうちに、本当情けない話だけれど酒に逃げるようになった。大泥酔して結局何も覚えていないけど「よくわからない楽しい」がそこにある。だから現実逃避するために酒は本当に最適だった。平日は毎日飲み会を入れまくった。終業後の飲み会と終電を逃した時のタクシー代のためにお金を稼いでいるような毎日だった。もともとお酒は強い方だが、その時は本当に飲み方が馬鹿すぎて何故か浅草から横浜までタクシーで2往復して馬鹿高いお金払ったり、カバンを無くしたり...本当にいい歳の大人がやるようなことじゃないよなってことを毎日毎日やっていた。(*私が馬鹿なだけで当時付き合って下さった方々には本当に感謝しています)

今思えば、酒飲んでる暇があったら何か新しいこと始めろよ!ってビンタしたくなるけど、実はこのお酒ばかりの毎日が今の私に繋がっていたりする。酔っ払うと饒舌になるタイプがいると思うのだが、まさしく私がそのタイプ。当時、酔っ払うとなぜか普段は話さないようなマンガの話をしまくっていて、興味がない人からすると死ぬほど迷惑だったと思うけれど、とにかく最近読んだマンガで面白かったものをひたすらおすすめしまくっていた。そんなことをやっていたら、酔っ払った私の話を真剣に聞いてくれる優しい人もいて、後日ご丁寧に「おすすめしてくれたマンガすごく面白かった!」とか「センスあるからそういうのSNSで発信したら?」とか言ってくれる人がちらほら現れるようになった。私はかなり調子に乗りやすい人間なので「え、じゃあやってみようかなあ〜」って感じで、もともとユーザーだったマンガ情報サービス「アル」で毎日本棚作るようになって、ライターに応募してやっと今の私の初期が生まれた。

「アル」でライターを始めて、ライター仲間とマンガの話で盛り上がれるのが本当に楽しかったが、それ以上に「マンガについて記事を書く」というこの行為に本当に救われた。自分の大好きなマンガという分野について語ることが誰かに必要とされている。つまり、自分の好きを思う存分発揮できること、誰かに必要とされているということ、この2つの出来事が私の失われた情熱に再び火をつけた。

そこからは我ながら本当に簡単な性格(?)が作用して、とにかく記事を書きまくった。私がライターとしてジョインした時の「アル」は、編集部や社長のけんすうさんが「誰か!(書けますか?)」ってslackに投げることが多々あったのだが、自分でも怖いくらいそのボールを全てキャッチしていた。今はもうペースが掴めたので何とも思っていないけれど、当時は自分のキャパを考えずに風呂敷を広げまくった結果、寝ずに記事を書き上げて出社するとかよくやっていた。でも、その時は疲労感より何よりもやっとまた情熱を燃やせるものに出会えたって気持ちが強くて、2019年以前の私が再び戻ってきたような気がした。

そして2020年、変なウイルスがやってきて私たちの生活を一変させ「おうち時間」とかいう文化が私の「アル」ライターとしての活動をさらに加速させた。うぉおおおお!このマンガ面白い!!!知ってくれぇえええ!!!!記事にするぅううう!!!!2020年は一生このテンションで生きていた。

そんなことを続けていたら(ただの仕事自慢に聞こえると思うけど)

自分が想像していなかった素敵な仕事や機会に恵まれまくった。そして、「マンガ大好きちゃんめい」と名付けられたチラシを見たときなんとなく『左ききのエレン』のこのコマが浮かんだ。

エレンのいう「何か」は、私に置き換えると「マンガ大好きちゃんめい」なのか。そもそも私は「何か」になりたくて記事を書いていたのか?と少し考え込んでしまった。そこで改めて思ったのが、私は「何かになりたい」のではなく「情熱を燃やして生きたい」タイプなのだ。だから燃やす(物騒だな)対象がないと途端に廃人になってしまう。大好きなアーティストYUKIちゃんが「JOY」という曲で「死ぬまでワクワクしたいわ」って歌っているのだが私に置き換えると「死ぬまで情熱を燃やしたいわ」って感じ。

話を戻すと今のところ伝えたいこととしては「酒には気をつけた方が良いけど酒の席から生まれる未来もあるよ」と「私は情熱を燃やして生きたい!だからこれからも燃やすぜ!」ってことだろうか。

ただ、最近考えているのは「その情熱をどのように燃やしていくのか」ってことだ。今は、記事を書くことで燃やしているその情熱。でもいつか真っ白に燃え尽きてしまう時が来るんじゃないだろうか。願わくば「アル」が未来永劫続いてほしいが、今後どうなるかわからない。万が一のことが起きた時、私はどうしていくのだろう。恐れ多くも折り込みチラシで名付けていただいた「マンガ大好きちゃんめい」としてマンガを語る、または広める人(?)として更なる情熱を燃やしていくのか、そもそも自分がマンガともっと近い距離で活動できるように新たなスキルを習得していくのか。

暗黒期から抜けて気づいた「何かになりたい」のではなくて「情熱を燃やしたい」という自分の性質。いつまでも情熱を燃やして生きるために、この連休はその方法について考えたい。

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