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月に一度のときめきと楽しみを思い出させてくれた『自転車屋さんの高橋くん』

執筆テーマをマンガに絞ってライター活動をしているほど、マンガが大好きな私だけれど、実はあまり好んで読まないジャンルというものが存在する。

それが「恋愛マンガ」だ。ただ、恋愛マンガの中でも東村アキコ先生の『東京タラレバ娘』『偽装不倫』など風刺の効いたコメディ作品や、渡辺ペコ先生の『1122』、入江喜和先生の『たそがれたかこ』と言ったヒューマンドラマとしての一面を持つ作品は大好きである。

けれど、自分にとっては遠い昔のことになってしまった「学校」が舞台であったり、会社に突然イケメンの上司や後輩が登場する...と言う作品があまり得意ではない。理由は自分でもよく分からないのだが、社会人になってからどうしても純粋な「恋愛マンガ」と言うものが読めなくなってしまった。

小学生の頃は『ママレード・ボーイ』や『グッドモーニング・コール』の恋愛マンガに心をときめかせ、月に1回やってくる最新話を楽しみに生きていたのに...。

そんな私が、実に小学生ぶりに心をときめかせ最新話の更新を待ち侘びている恋愛マンガがある。

自転車屋さんの彼とアラサーOLの恋

松虫あられ先生の『自転車屋さんの高橋くんという作品で、会社員として働く飯野朋子(略してパン子、またはともちゃん)が、ある日通勤途中に自転車が故障して困っていたところを、自転車屋さんの高橋くんに助けてもらうところから物語は始まる。

目つきが悪く前髪を金髪に染めている、いかにもヤンキーな風貌。だけど、"ハッとするほどのイケメン"の高橋くん。見た目はもちろん高橋くんのぶっきらぼうな物言いに最初は戸惑うパン子だけれど、彼のちょっぴり強引なところ、そしてストレートな優しさに次第に惹かれていく。

自転車屋さんの高橋くん』は、そんな2人の恋愛模様と成長を描いた温かい物語だ。

風刺もコメディも重厚なヒューマンドラマ要素もなく、運命的に出会った2人が恋愛関係へと発展していく本作は、冒頭で話した純粋な「恋愛マンガ」にカテゴライズされる作品だと思う。

惚れたのは2人の関係性

「恋愛マンガ」に熱中する一つの理由として、魅力的な異性のキャラクターが登場することが挙げられると思う。

例えば、会社員として働く自分の目の前に、高橋くんのような人が現れたら...それはもう最高である。もし目の前に現れなかったとしても「高橋サイクル」が実在するなら、今すぐ自転車通勤に切り替えて毎日目の前を通り過ぎたいくらいだ。

だけど、私が本作に心をときめかせ、最新話の更新を楽しみにしているのは何も「高橋くん」目当てというわけではない。

私は高橋くんとパン子の関係性に心惹かれているのだ。

高橋くんはとにかく感情表現がストレート。言葉よりも先に行動してしまうタイプゆえに人との衝突が多い人のように伺える。けれど、パン子という存在のお蔭で彼は「言葉を選んで自分の気持ちを正確に伝えること」を学ぶ。

一方でパン子は、自分の意見をはっきり言うことが苦手で人からの頼みが断れない性格。自分のために高橋くんが怒ってくれたとしても「私なんかのために...」と言ってしまうほど、自分の事を卑下してしまう。

そんなパン子が、時には短所にもなっていた高橋くんのストレートな感情表現に影響されて、少しずつ自分の気持ちに正直に行動できるようになるのだ。

今までは短所になっていた面も、2人が交わることでお互いの人間的成長に繋がっていく。そんな恋愛を卓越したような2人の尊い関係性にどうしようもなく惹かれてしまう。

月に一度のときめきと楽しみを

自転車屋さんの高橋くん』はトーチwebにて毎月第1水曜日に最新話が更新される。

本日2月3日にちょうど最新話となる21話が公開された。新章が開幕しますます私たちの心を掴んで離さない、高橋くんとパン子の恋愛模様。

次回の更新は3月...。こんなにも純粋な恋愛マンガの最新話を心待ちにするのは小学生以来だ。このはやる気持ちにちょっとした懐かしさを感じながら、2人が紡ぐ最新話を楽しみに待とうと思う。


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