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2022年5月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

新旧作品問わずに、今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品、しっかりとした書評を書きたい!けれど、現実的になかなか難しいので、あらすじや一言感想メインで紹介していこう…といった背景で誕生した企画です。

ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売された新刊”というしばりでおすすめのマンガを紹介しているので、とにかく新作が読みたい!という方はこちらもぜひ。

読み応えのある、または濃密な書評が読みたい方にとって、こちらのnoteはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事が、あなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら

住みにごり(1巻)

久々に実家に帰省した主人公を待ち受けているのは、寝たきりの母と一癖も二癖もありそうな父、そして毎日働きもせずに部屋にこもる兄のフミヤ。 兄が何かしでかしそうな…ねっとりとした不気味さが強烈。住みにごりというタイトルも秀逸(造語だよね?)。

ヒソカニアサレ(新連載)

マンガワンの新連載『ヒソカニアサレ』。 社会問題となっている密漁がテーマのクライムサスペンス。主人公の悲惨な現実への怒りからの決意に圧倒される。1話〜2話で充満していく救いのなさも見どころの一つ

ツワモノガタリ(1巻)

新選組隊士たちが“幕末最強の剣客”について語り合うお話。口火を切ったのは一番隊組頭・沖田総司。1巻では彼が最強と称える芹沢鴨との戦いを鮮烈に描く。 新撰組がテーマの漫画は数多く存在するけど、剣術(強さ)から読み解く作品は初めてなのでは?

個人的にハマりすぎて「Real Sound ブック」さんで書評も書いたのでこちらもぜひ。

高度に発達した医学は魔法と区別がつかない(1巻)

異世界に転移した医師が、現代医療で病気や怪我、医療魔法が支配する世界に立ち向かう物語。 異世界モノなのにチートではなく確かな医療技術で道を切り拓く所が読み応えあって面白い。原作の津田先生はなんと現役医師!

実は、1巻発売を記念したオンラインサイン会&トークイベントで、司会進行を担当させていただき、原作者の津田先生に制作秘話をお伺いしました。45分くらいの動画なのでぜひこちらもご覧くださいませ!

おおきくて窮屈なこの世界で。(1巻)

1921年大正10年、日本からたったひとりでイタリアへ渡り、バチカン奨学生1期生となった少年の物語。 彼の真っ直ぐな好奇心が、新しい居場所を作っていく。これからどんな世界が広がっていくのか楽しみ。透明感あふれる繊細な絵も素敵でした。

ガチアクタ(1巻)

身に覚えのない罪を着せられ奈落へ追放された少年・ルドが、絶望のどん底から這い上がっていくダークファンタジーバトル。 彼の敵は、権力や差別、世の中で大多数が支持する常識だったり現実世界の敵と似たものがあるなと。不思議な妖しさが漂う絵も圧巻。

ポラリスは消えない(1巻)

推しのアイドルの突然死を受け入れられない少女が巻き起こす、禁忌と存在証明の物語。 飽和化していく推し文化。そして、推しを喪失してもなお、推しは神様なのだと“とある形”で世に証明し続けていく少女...。さまざまな角度から推しを鋭く描いていて面白い!

ブルーピリオド(12巻)

待望の最新刊!読むのに良い意味でとてもカロリーを使った…。なんだろう、今巻はかなりホラーだった。自分にとって欲しい言葉をくれる人、くれる場所が必ずしも正解とは限らない。あと、 "「選ぶ」って贅沢でだるい。誰か全部俺の人生選んでくれれば…" このセリフも凄まじいなと。

ブスなんて言わないで(1巻)

登場人物それぞれの視点からルッキズムの残酷さ、根深さを描いた作品。ルッキズムがもたらす悲しみ、果てしない怒り…。登場人物たちの表情、セリフ全てに心を揺さぶられる。

音盤紀行(1巻)

時代や国境を超えてレコード(音盤)が繋ぐ、記憶と想いを描いた短編集。以前よりも見かける機会が少なくなってしまったレコードだが、そこから生まれる色褪せない物語の数々に魅了される。また、ずらっと並んだレコードの棚などの、細部まで美しい描写にも注目。

ごほうびごはん(15巻)

週に一度自分をねぎらう“ごほうびごはん”を楽しむOL・咲子のお話。登場する料理にリアルさと親しみやすさがあってすごく良い。最新巻では、咲子と磯貝の関係性に進展があってもう、お腹も心もいっぱいです。現在連載中のグルメマンガの中で一番好き!!

恋するMOON DOG(37集)

あの『紅茶王子』の山田南平先生が送る、異種間恋愛ストーリー。トリマー・律歌と、月を見ると犬化してしまう美男子・アキラが繰り広げる溺愛ラブで、キュンとするわ泣けるわ、登場人物美男美女だわ、犬可愛いわで…。最新話を読むたびに感情が忙しい。

成田くんを攻めたい!(1巻)

久々にTwitter買いをしてしまいました。それがこちらの作品。

クール系腐女子と、実は可愛い!?イケメンチャラ男が織りなすラブコメディ。セリフが秀逸で、あと何よりタイトル通り成田くんが最高すぎて攻めたい…。

後ハッピーマニア(3巻)

恋の暴走機関車・カヨコが大暴れする『ハッピーマニア』の続編。1〜2巻は、こんなカヨコみたくなかった!ウー!ウー!マッシモ!で乗り越えてよ!と言いたくなる展開だったけれど、3巻はカヨコのとある才能が開花。物語がさらに転がっていく感があって次巻も楽しみ。

太陽と月の鋼(4巻)

江戸時代を舞台にした陰陽師ファンタジー『太陽と月の鋼』。待望の最新刊4巻では土御門晴雄の生い立ちが明かされる。個人的には、明が見通したシーンが衝撃的すぎて…。もう最新巻が発売されるごとに驚きと面白さを更新してくるのすごすぎやしませんか。

4巻の発売を記念して00:00 Studio さんで開催されたオンラインサイン&トークイベントのレポを担当したのでこちらもぜひ!

ぼくたちの死体さがし(1巻)

ーー夏休みのある日、少年たちは数年前に失踪した同級生を探すた旅に出る。タイトルも相まって映画「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせるが、話が進むにつれて、失踪事件の闇が深すぎてかなり重厚なサスペンスになりそうな予感。2巻も楽しみ!

凛子ちゃんとひもすがら(1〜2巻)

育児放棄された小学生・凛子と、ひょんなことから出会ったヒモ男・春乃の交流を描いたヒューマンドラマ。春乃と凛子の間に特別な恋愛感情はなく、春乃はあくまでも家事手伝いをする、凛子の保護者のような役割で描かれているところが良かった。2人も見えない大きな心の傷を抱えているように感じるが、お互い支え合って生きていく様子に胸を打たれる。

ジーニアース(1〜3巻)

『ミスミソウ』『ハイスコアガール』の押切蓮介先生の最新作。ジーニアスと呼ばれる、超人的能力を持つ新人類と国家の戦いを描く。容赦ない、暴力、残虐、鬼畜っぷり…。次のページをめくらざるをえない、凄まじいパワーと勢いを感じる。ちなみに押切蓮介先生の作品だと『狭い世界のアイデンティティー』が一番好きです。

主人不在のメイドたち

マイアイドル・マイダーリン

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000154.000063705.html

縦スクロール形式のデジタルコミック・webtoon(ウェブトゥーン)の制作に力を入れている「LINEマンガ」が送る、5月の新連載。
『主人不在のメイドたち』は、屋敷の主人の失踪から始まるミステリーサスペンス。可愛らしい絵柄とは裏腹に、作中に漂う得体の知れない不穏さがたまらない。『マイアイドル・マイダーリン』は、今や一大ジャンルとなった“アイドルとの恋愛モノ”に新しい風を巻き起こすような衝撃展開。そして、世相を掴んだキャラクター設定が面白い。

2022年5月雑記

今月から、講談社の大人の女性向けウェブマガジン「mi-mollet(ミモレ)」にて、記事を書かせていただくことになりました。

新しい趣味の扉を開いてくれるマンガをテーマに、石坂ケンタ先生の『ざつ旅-That's Journey-』を紹介しています。

「mi-mollet(ミモレ)」さんで執筆するのは、ライターとして一つの目標にしていたのでとても嬉しいです。そして、尊敬している著名なライターさん方が執筆されている媒体なので、原稿を書くときはとてつもなく緊張します。(他の媒体さんでも緊張感持ってやっていますが)
良い緊張感を保ちながら、「mi-mollet(ミモレ)」の読者さんが誰かにシェアしたくなるくらい、面白いマンガ評を書けるよう精進します。

6月は「書く」こと以外のお仕事もたくさん控えているので、いつもよりさらに多忙な月になりそうです。健康第一で駆け続けよう。

最後に。忙しかったり、つらいことがあった時に私が支えにしている、大好きなこのセリフで終わります。

美しい人よ、美しく生きなさい。駆け続ける者に陰は届かぬ。

『春駒』入江亜季先生

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