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#映画感想文163『神々の山嶺』(2021)

映画『神々の山嶺(原題:Le sommet des dieux)』を映画館で観てきた。

監督はパトリック・インバート、原作小説は夢枕獏で、谷口ジローによって漫画化されている。

2021年製作、94分のフランス・ルクセンブルク合作作品。

一般人は登山家に対して、「なぜ、山に登るのか」という疑問を抱く。この作品の根底にはそのようなモチーフがある。

台詞や描写なども、かなり抑制的であり、日本の街並みも、違和感なく描かれている。

物語の中心にはエベレスト登頂のプロジェクトがあり、登山描写は手に汗握るものがあった。ロープやピッケルといった道具を駆使して、登っていることをわたしは知らなかったので、とても勉強になった。上半身を鍛えるシーンが多く、やはり腕の筋力が大事なのだとよくわかった。

死と隣り合わせであるのに、なぜ、山に登るのか。その理由は、登る本人にもわからないのだろう。山に魅せられてしまった人は、憑りつかれたように登る。海に魅せられる人もいる。人間も自然の一部なので、そこに吸い込まれていく人がいるのもわからなくない。(ピクニックに行くのも面倒くさがるわたしは、本当に怠惰な人間だと言わざるを得ない)

『神々の山嶺』は、登山を知る入門映画としても、最適である。(正直、山に登ろうとは思えないが、登山家という職業の過酷さを知ることができた)

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