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#映画感想文278『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』(2023)

映画『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊(原題:A Haunting in Venice)』を映画館で観てきた。

監督はケネス・ブラナー、脚本はマイケル・グリーン、出演はケネス・ブラナー、カイル・アレン、ミシェル・ヨー、ティナ・フェイ、ジュード・ヒル。

2023年製作、103分、アメリカ映画。

原作はアガサ・クリスティーの『ハロウィーン・パーティ』。ただ映画は原作とはだいぶ違うらしい。

半分ご隠居さん状態のポアロ(ケネス・ブラナー)のところに、スランプの作家アリアドニ・オリヴァ(ティナ・フェイ)がやってくる。とある屋敷で、孤児を招いたハロウィン・パーティーと降霊会が行われるという。ポアロは乗り気ではなかったものの、強引に誘われ、参加することになってしまう。

その屋敷では、娘のアリシアが婚約破棄を苦にして、投身自殺を図り、亡くなっていた。母親は死んだ娘に会いたがっていた。霊能力者のレイノルズ(ミシェル・ヨー)が降霊会を行うのだが、霊能力者のお供のなんか怪しい女性。一癖ありそうなお手伝いさんの女性。アリシアを捨てたにも関わらず、のこのこ現れた元婚約者。ハロウィンパーティーに参加していた憂鬱そうな医者とその息子。

嵐がやってきて、外には出られない。その密室で第一の殺人事件が起こる。誰も逃げられないから、絶対にこの中に犯人がいる、という王道ミステリー。

子どもの歌声が微かに聞こえる。地下の轟音、突然落ちるシャンデリア、急に飛んでくるオウム、部屋を移動するうさぎのぬいぐるみ、などなど。

ミステリーのお手本のような作品で、ドキドキわくわくしながら、観ることができた。傑作! とかそういう類の作品ではないのだけれど、軽く楽しむには本当にちょうどいい。

ケネス・ブラナーが、ちゃんと全部ツボをおしてくれるので満足度は高かった。

クリスティ作品の映画化はケネス・ブラナーのライフワークだと思うのだが、今回は行かないつもりだった。前回の『ナイル殺人事件』がちょっとグズグズだったので、食指が動かなかったのである。

ただ、ミシェル・ヨーとティナ・フェイが出ることを知り、二人を観るために行くかと考えを改めた。そして、原作を読んでから行くと間違い探しをしてしまうので、ほぼ知識ゼロの状態で行った。それもよかった。

エンディングにジュード・ヒルとあり、「あの眼鏡の少年は『ベルファスト』のバディだったのか!」と衝撃を受ける。帰宅後、あの病んだ医者も『ベルファスト』の父ちゃんだったのか、と驚く。ケネス・ブラナーの座組だったのだな。

久々に『名探偵コナン』『金田一少年の事件簿』のわくわく感を思い出すこともできた。全員、怪しいって最高だよね。

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