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養老孟司, 伊集院光(2020)『世間とズレちゃうのはしょうがない』の感想

養老孟司先生と伊集院光さんの対談本『世間とズレちゃうのはしょうがない』を読んだ。

(敬称を省略しないのはわたしがお二人に親しみを感じているからである。)

対談のテーマは「世間」である。

みなさまご存知の通り、世間には実態がない。

社会には法律があり、ルールがあり、仕組みがある。

一方、世間とは、そのときどきの空気で、いかようにも変化する得体のしれないモンスターである。

わたしたちは、時に世間から攻撃をされ、時に世間と一体化し、誰かを攻撃することもある。

世間を恐れる伊集院さんと世間に片足を突っ込み、半身は外に出しつつ眺めている養老先生の対談は、すごく真摯で、それと同時に切実さも感じられた。

そして、伊集院さんが自転車に乗ったり、歩いたりしている話は、なるほどな、と思った。

養老先生曰く、わたしたちの身体は使われることを前提に存在しており、一日中椅子に座るようにはできておらず、体を動かなさなければならないらしい。

ここ最近、そういった記事を好んで読んだりしているが、1日30分の有酸素運動はできそうで、なかなかできない。

ただ、健康に働き、考え続けるためには、体を動かさなければ、ボケてしまいそうな気がしている。

鬱予防のためにも、脳味噌から、エンドルフィンを出したい。

頭でかっちになるのも、ほどほどに。

「わたしたちは、しょせん動物なのだから」と客観視する必要がある、という話でもあったように思う。

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