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理系大学生が綴る読書感想文~鉱石俱楽部、少年アリス~

 読書感想文…逃れられない夏休みの宿題を思い出しますね。僕は一週間で全てを片して、図書館の本を読み漁ると言う素晴らしき夏休みを…過ごせてはなかったな。うん。夏休みの友やプリント集は、いいんですけどね。読書感想文と自由研究が…。何を求められているのか分からず、適当なこと書いて先生に微妙な顔された記憶しかないや。
 という訳で今回の雑談は、在る方からの紹介で手に取った「鉱石俱楽部」「少年アリス」作品を読んだ感想を、書いていこうかなと思います。本当は宇宙百貨活劇ペンシルロケット・オペラという本がオススメらしいのですが、僕の住まう田舎の図書館では手に入らなかったので。同じ作者の方、長野まゆみさんが描いた作品二作を読んでみました!
 
「鉱石俱楽部」ページを捲ると、まだ文字を読んでいないのにも関わらず、熱帯に甦った葡萄酒へと惹かれます。図鑑が好きな僕にとって、密やかな硝子鉱石を彷彿とさせ。水銀製の敷居を駆ける少年少女Rhロジウム。水溶液に淡いバラ色が、明滅と抒情入り乱れた世界に、夢中になって読み耽りました。
 詩小説でありながら、空想図鑑の要素もある。僕が創作に関して生涯を持って、追い求めたいと思っている総てが詰まった、素晴らしい作品でした注1

「少年アリス」鉱石俱楽部が神話だとすれば、少年アリスは実に小説的な感性です。標本箱に詰められ、殻を被った子供達。各々が抱える、正体を言葉だけでなく舞台設定においても、表現を鑑みている。真珠の耳飾りも夜更けに落とせば、妖精が鈴蘭から梳いた銀砂。天上から散る星座からの、贈り物になるのかもしれない。
 少年達の幻想が、繊細な希釈を基に描かれている。素敵な物語でした注2

 という事で、長くなりましたが。理系という言葉に逃げ込み、もはや読書感想文とは何ぞや?と頭に永遠のクエスチョンを浮かべたまま書いた感想文でした。紹介してくださった方、ありがとうございます!とても楽しい時間を過ごせたので、読み終わってしまうのが物足りない位でした。

 そして、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。いつもの金曜日投稿は今週、ありませんが。土曜日に人形とオーケストラな魔女が鏡面舞台を繰り広げる。いかにも怪しい詩を出そうと思っているので。ぜひ、お楽しみに!


参考:
注1)長野まゆみ. 鉱石俱楽部. 株式会社白泉社, 1994
注2)長野まゆみ. 少年アリス. 株式会社河出書房新社, 1989

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