アナログゲームマガジン特別賞(2023年のあれこれ)【全文無料】
特集記事です!
去年と一昨年の分です。
積極的にアナログゲームを遊ぶために、今年からオープンのゲーム会を小規模ながら主催してみたりしてみました。が、私生活の変化や、時間の使い方が下手な点、BGAなどデジタルでのプレーは避けている点から、アナログゲームで遊んだ数は125作品、とそれほど多くありません。
One Hundredも投票を忘れました。
来年はもっと多彩にアナログゲームを遊び、アナログゲームを発信していきたいです。
さて、本題です。
たくさん遊んだで賞
遊んだ回数の多いゲームは何か、集計しました。
1位 カヴェルナ(8回)
異色のタワーディフェンス拡張が発売されたことから再燃したワーカープレースメントゲームです。基本的に公開情報なので、お互いフォローして遊びやすいです。
とても好きなゲームなので、布教できて良かったです。
説明書:以前の記事の通り、勝利点計算の図示が丁寧で、ゲームのイメージが湧きやすく、ルール説明が比較的容易な重ゲーです。一方で細かい質問が出てきた時に答えが見つからないことがあり、もう少し厳密にしてほしいです。
2位 ファザネリー(7回)
手番順とすごろく的なカードの並びが悩ましいセットコレクションです。2022年12月頃に基本セットが発売、その後2023年10月に間を空けすぎないタイミングで拡張が出たため、2023年の露出が多いゲームです。
30分程度で終わる手軽さ、カードの組み合わせを変えて何度も遊べる点もGOODです。
1セットで2人、3セット買うと6人まで遊ぶことが可能ですが、ほとんど3~4人でしか遊んでいません。2人は半ば詰将棋、5・6人はアンコントローラブルだと考えています。
説明書:使うセット数でプレイ人数と、ルールが少々変わることから、人数による違いを混同して覚えそうになるのが難点です。あと、小箱なので文字が小さいです。
3位 バラージ(6回)
水力発電をテーマにした、ネットワーク作りのワーカープレースメントゲーム。個性豊かな国が5か国あるので最低5回遊べますし、セットになる重役は拡張込みで16種類。
個性×個性×ランダムセットアップにより、ゲームバランスもゲーム展開も多彩です。
バランスの問題から、BGAでは、国家と重役のセットを選ぶ順番について、公式オプションルールとして勝利点を用いた競りを行えるそうです。実機プレーでも採用してみたいです。
写真は自宅のテーブルで、拡張込みだとスペースがギリギリです……。
説明書:目立った不満はありません。
マップに「丘陵」など3つのエリアがあるものの、ボード上でも説明書でも境界線が分かりづらいのは困りました。ボードにマスキングテープを貼って区切りました。
4位 オーディンの祝祭(5回)
ワーカープレースメントしてタイルでパズルして特殊効果カードも大活躍。ダイス運に頼るタイミングも多々。要素盛り沢山なのでルール説明はけっこう大変です。
もらえる特殊能力カードの多くに発動条件があるため、プレー指針が分かりやすいのも良いです。
必須と言われるノース人拡張の再販が待たれます。持ってないんです。
説明書:けっこう力作です。饗宴システム周りの記述が分かりづらいのを以前の記事で書きました。
番外編 ハイパーロボット
こちらの「さこんてんちょー」さんが、週3回ぐらい?ハイパーロボットのお題を出してくれるので毎日楽しいです。つまりハイパーロボットを一番多く遊んでいるというオチです。
素敵なシステムの新作部門
2023年に発売した、比較的新作を挙げていきます。
『ノヴァルナ』と間違えやすい。
1時間で終わるようにダウンサイジングした『テラミスティカ』。この短さが良いのか、もっとじっくり味わいたいかはプレイヤー次第。私は好きです。神殿トラックがないので得られるパワーが少なく、その分ガチ感が多くなっていると思うことも。
説明書:本家との差が分かりづらいです。以前の記事参照。
こちらは本家と違う意味でリプレイ性を持たせた『テラミスティカ』です。本家よりもマイルド特殊効果なのが良き。種族能力にデメリットが少ないので、本家よりも詰んでしまう状況は少なそうです。
『スモールワールド』みたいに、組み合わせによって色々な二つ名が出来上がるシステム、良いですよね。
説明書:読めていません。買いそびれたので買います……買いました(31日18時半)。
『テラミスティカ』と同じようでいて用語統一していないので、同じ対象に対して色々な呼び名がプレー中に飛び交いがちです。定義の問題です。
カードをドラフトした後、一軒だけ建築して得点を競うスマートなゲームです。余剰資源が三角数でマイナス点になるので、うまくドラフトしうまく使い切ります。手軽さが素敵です。
説明書:紙で同封されておらず、データを見つつ説明または印刷が強いられることが難点です。
システムの表現が難しいのでレビュー記事を拝借。
手札の配置場所、上段アイコンと下段アイコンのどちらを重視するのか、どの色のカードを使うのか。悩ましいです。
現代ゲームらしく、インタラクションはアイコンの多さを一部競う程度。
1時間程度で濃いプレー感が得られます。
説明書:自分ではまだ読めていませんが、要素が多いので若干インスト泣かせな気がします。
謎解き部門
普段ほとんど遊ばないのですが、2023年は二回、謎解き街歩きゲームに参加しました。
地下迷宮に眠る謎2020リバイバル
仕事で毎日使う名古屋市営地下鉄を舞台にした謎解き、しかも前評判が抜群に良いので体験してきました。2人で挑み、無事に一日で完走。
もちろん具体的には話れないのですが、とても面白く、冊子や街の色々な仕掛けに感銘を受けました。ホームページと連動しているので、アナログゲームとは言い難い部分もあります。
2023年版は、2024年になってから、終わる前に参加します、絶対です。
マダミス部門
部門と言いつつ1作品しか遊んでいません。
シロナガス島への帰還 ~豪華列車シロナガスエクスプレス~
クローズド会でこのマダミスを遊ぶ予定ができました。ゲーム本編は元々気になっていましたので、プレイ時間は10時間程度ですし、サクッと履修してからマダミスに参戦。
本編はそう……けっこうホラーなのにエモくて……良い体験でした。
マダミスの方は、原作のキャラを用いつつも、孤島であった設定が豪華客船になる、キャラクター設定が別人になっているなど、原作を知らなくても大丈夫でした。
マダミスは経験が浅いのですが、なかなか良くできた真相・勝利条件でした。
説明書:自キャラの冊子の説明等々はシンプルな記述で良かったです。
動物可愛い部門
可愛さだけで買うのは控えています。
適度に負けを調整するトリックテイキング。ペンギンと、ペンギンの乗る流氷がテーマです。
オプション購入のペンギン駒が可愛いのに、ファミリールール専用なのがもったいないです。
特殊効果付きの動物タイルで円をビルドしてぐるぐる回る、見た目に反してガチゲーです。ダイス運はあるけどかなり楽しい。第二版ではプレー人数が1箱2人だったところが4人までになり、ゲムマ2023秋で再販したようです。え、知らなかった(ゲムマブログには書かれていないため気付かず)。
爆笑部門
スマホ開発会社同士の争いをテーマにした、アクションタイルを重ねる特殊なシステムのゲーム。
開発できる技術に「4G」があり、つまり今これらの会社は3G。もう終わってしまう!
ゲームを積み過ぎて技術が置いていかれてしまいました……
「●●みたいな▲▲」の●●と▲▲を親に当ててもらうゲーム。大喜利としては表現の幅が自由で、つまり人を選びますがヒントが面白いのなんの。
許容できるメンツでは絶大な笑いをもたらすと思います。
旧作良き良き掘り返したで賞
良いゲームは何年経っても面白いのです。
プロットできるアクションがすごろくのマスで決まるような、独自性の強いアクションプロットゲームです。インタラクションの強さも良いです。
尖った名作。
フードチェーンマグネイト ケチャップ拡張込み
オールタイムベストである、フードチェーン経営ゲームです。運要素がない上で、序盤でコケた人の救済措置などない、なので苦手な人が多いゲームです。
日本円で5~6万円もする、豪華な第二版のキックスターターでも話題になりました。
拡張の新マイルストーン(達成目標)はラジオの存在感が薄れて、既存とは戦略(=定石)がだいぶ変わってとても良いです。副社長プレーが容易にできます。コーヒー拡張は人のレストランでボロ儲けできます。
説明書:ルールは簡単なのに、図示ほとんど無し・1段落が長い・文字が詰まっている、など読みづらさ3重苦です。以前記事に書きました。
そのラウンドの切り札色、マイナス点札の色、プラス点札の色はプレイヤー次第で決まる、というシビれるシステムのトリックテイキングです。
カカオ
噂に違わぬ、簡単悩ましいタイル配置ゲームでした。カカオの貯蔵が5つまでなこと、水辺での点数の上がり方がニクいです。手に入れたいゲームです。
アクション選択においてワーカーの色で何故か苦しむ、特化する得点源をどれにするか、自分で決めることが可能なゲーム。エリアマジョリティ点も美味しいです。
愛知県のゲーム会環境について(脱線)
愛知県のアナログゲーム環境は盛り上がっています。自分は賑やかし程度に主催しています。
筆者は愛知県住まいです。
コロナ以前には、2時間以内で終わる、軽めのゲームを遊ぶ会を主催していました。しかし、施設の利用規制が厳しくなり休止。人と人の距離を2メートル空けるよう言われまして、難しい。
その後休んでいる間の2年で、自分の会のような、家族向け、軽めのゲームを遊ぶオープン会が増えてきました。ボドゲプラスさん、ボドゲ日和さん、犬山ボドロジーさん等々。
30~70人程度の会で、満員御礼・盛況です。
名古屋版ゲームマーケットである「名古屋ボードゲーム楽市」も登場。東京にも大阪にも足が延びづらい自分にはありがたいイベントです。
が、ゲーム会環境について自分目線で言いますと。重いゲームが安定して遊べるオープン会は、移動手段の限られる自分が行きやすいところにはなく。増える積みゲー。主に重ゲー。
今の住まいに引っ越して6年。自宅近くに適切な会場があることにようやく気付きます。発揮してみる行動力。
長時間ゲームを卓立てしやすい、自分も遠慮なく遊ぶ、こじんまりとしたオープン会を自分で立ち上げるのでした。
おかげさまで、久しぶりに遊べた重ゲー、崩せた積みゲーが色々あります。現在は月に一度以下のペースですが、執筆に差し支えない程度に増やしていきたいものです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
来年は、本マガジンだけでなく、アナログゲーム活動全般について、今年より頑張りたいと思っています。よろしくお願いいたします。
以降はおまけです。
読んだ本(ビジネス書中心)
オーディオブックを含め68冊ほどのようです。半分以上を占めるオーディオブックは小説かビジネス書の配信が多く、アナログゲームに関する本は、言葉の表現技法ぐらいです。
耳で聴く仕組みと、目で読む文章に関する本は相性が悪いと思います。例えば『論理が伝わる「書く技術」』では、例文が本文と同じペースで全文読み上げられてしまい、修正前後でどう変わったのか、頭に入りませんでした。
文章関係の作品を挙げると、『その日本語、ヨロシイですか?』は新潮社校閲部の方による校閲業務の本です。
校正のような単なる誤字・脱字の確認ではなく、情報の正誤をチェックする校閲は、外国語や歴史などの多彩な資料を元に行われます。視点が広くないと務まりません。
本書では校閲者のことを「『言語の素人』のプロ」と表現しています。「この表現で良いだろうか」、と適度に自分の考えを疑い、資料を元に慎重に確認していく姿勢は、アナログゲームの説明書に触れる際にも持っておくと良い、と感じました。
アナログゲームとは関係なしにオススメなのは、『最高の体調』『食欲人』『ヤバい集中力』『YOUR TIME』『最大化の超習慣』、あと『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズです。『最大化の超習慣』以外は全てAudible聞き放題で聴きました。『最大化…』もPrime Readingなのでサブスク内です。
『世界のニュース…』では、井の中の蛙がちである日本人の持つ海外観を壊すような事実を色々伝えてくれる本です。日本のメディアは日本のことを悪く伝えがちですが、海外から見た日本は羨ましい点が多かったり、日本と労働環境がそれほど変わらなかったり、等々。
2023年遊んだアナログゲーム羅列(備忘録)
今年は『惨劇RoopeR』を遊べていないですね、来年は遊ぼう。
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