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未来の学校をつくる2〈学校の理念を掲げる〉

 今回は学校の理念についてお話しします。学校の理念を掲げることは、私が開設準備の一番最初に着手したことです。東京都教育委員会による「足立地区チャレンジスクール基本計画検討委員会報告書」がおおもとになっていますが、そこからの変遷はまた日を改めてお話したいと思っています。
 
 私は不登校や中退は、本人の問題のほかに学校というシステムそのものにも課題があると考えます。学校のシステムそのものを改善し、バージョンアップさせていくことが大切です。
 その結果、不登校経験者や中退者を支援できるよう改善されたシステムはユニバーサルなシステムになると思います。教育を受けるすべての人のために学校はもっと開かれてよいと思います。
 これは、東京都のチャレンジスクール設立の意義でもあります。

 また、近代の人類の成果を踏まえつつ、新しいピリオド(時代区分)である「現代社会」を担う人材を育成するためにも、教育そのものが近代教育から現代教育へとバージョンアップしなければなりません。
 これまで教育が培ってきた価値観や方法や効果といった不易な部分を尊重しながらも、最先端の教育を実施していく必要があります。
 皆さんは学校を選ぶときにこの学校で学びたいという志を持っているでしょう。学校を作るにあたって私たちは、志を持って入学した生徒に対し、多様で柔軟な教育を実施し、これからの社会で活躍する起業家精神のようコンピテンシーを身に付けた人材の育成を行っていきたいと考えました。

 そこで、学校の理念を次のように掲げました。

〇不登校や中途退学などでこれまでの学校生活では個性や能力等を十分に発揮できなかった生徒でも、一人一人が安心して存分に学ぶことができる時と場を提供する。
〇志を持って入学した生徒に対し、多様で柔軟な教育を実施し、これからの社会で活躍する起業家精神を持った人材の育成を行う。

 この理念をもとに東京都によって小台橋高校のスクールミッションが定められています。スクールミッションは次の通りです。

「生徒一人一人が安心して存分に学ぶことができる時と場を提供するとともに、志を持って入学した生徒に対し多様で柔軟な教育を実施し、不確定な未来を生き抜くための幅広い総合的な力を身に付けた人材を育成します。」

東京都立小台橋高等学校スクールミッション


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