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消せない消しゴム

今日も、当たり前に
時計をつける。

( この時計のネジを引いたら
チクチクとドクドク鳴る音 消えたらいいのに )




- 3.11

9年前の2011年3月11日14時46分

多くの人の人生をくるわす出来事があった。



ちょうど、今、笑いながら食べた後の静けさ
ちょうど、朝、些細な喧嘩をして家を出た
ちょうど、前日、また想い言えずに帰った
ちょうど、数日前、懐かしの味に和んでいた


その余韻に浸っていた

その時

自分で満たす日常
些細な忘れもの
不確かな また の機会
穏やかに蘇る記憶

まるで嘘のように..




私が体験したわけじゃない
聞いたお話
想像できる日常

日常が恐怖に
普遍が破片に 変わった瞬間

想像できる範囲でも
たまにズキズキとする煩悩で散らかって横になれもしない小部屋で
コントロールできず溢れかえって泡だらけの口だけ開いた感情が
いき場をなくし迷子になった。

想像できる範囲でも
このなんとも言えないコレをどうしたらいいか..

心身が滅入っていたこの時のわたしは
多少でもやれる事を知りながら 目をつぶり イヤホンで好きな音だけ拾い 枕を抱え 黙り込むしかできなかった。




- そして今、
定期でくる知らせが届いた。

継がれ続く息
生まれた笑顔
集まれる場所
癒される時間

躊躇していたことが、ちょっとずつできるようになった。
顕微鏡で漸く垣間見えるくらいのチカラでも
大きな所に託し委ね頼るしかないチカラでも
がんばって、がんばった分の ほんのわずかでも廻したいと思った。
これらの一部 になれて光栄だと気づかせてくれる
ありがたい。



想像しなければ
思い出さなければ
忘れられたら
幸せなのかもしれない。

だけど

想像したり
想いを馳せたり
思い出してみたり
幸せでないようなことも、必要なんだね。




( この時計のネジを引いたら.. )

自分で満たす日常
些細な忘れもの
不確かな機会

戻したい。
だけど、
戻せない。

( この予定さえ消したら.. )

無情にものこる

消したい。
だけど
無くならない

穏やかな記憶。


忘れたい。
だけど
忘れられない 忘れてはいけない 記憶。


都合の良い消しゴムは
今までの証を綺麗に消してはくれない。




今日も、当たり前に
優しいオレンジが滲む街に音が増え重なっていく。

今日も、手をあわせ
奇跡であふれる日常の幸せを祈る。



今日も、当たり前に
淡いピンクが足を誘う公園の横を通る。
今日だけは、今は、テレビを観てほしくなくて これから賑わう音を想像しながら
今日が、晴れてることに奇跡の幸せを感じる。


当たり前に
できることから、やっていくしかない。
その範囲を広げられるように
今日も、がんばる。






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