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思い出を整理する

 娘のおちびが産まれて少し経った頃、夫と一緒に量販店へ行き台紙を増やせる写真アルバムを購入した。スマホでおちびを撮影した写真を選んで近所のコンビニでカードサイズを選択して印刷し、アルバムに貼り付けた。陽性が出た検査薬の写真や、エコーなんかの写真も貼ったし、書き込みが出来る台紙のタイプだったので当時のちょっとしたエピソードを絵に描いていたりもした。
 それは今も残っているが、見るも無惨な状態になっている。アルバムは低めの場所に置いていたため、おちびがあちこち動いて物を引っ張り出して破いたり落書きするようになって家の中の大体の本などが洗礼を受けた。アルバムも例外ではなかった。ただ、いくらボロボロでも捨てるには惜しいし、かといって最初から作り直すのも精神力、体力ともに足りない私。

 そんな頃、おちびの写真を管理していたアプリのサービスが終了することになって別のアプリに移行した。移行先のアプリには毎月八枚の写真データを無料でプリントしてくれるサービスがあった。かかる費用は送料だけで、最近になってようやくお得感を感じて八枚のプリントと土台になるアルバムを注文してみた。
 届いたら早速開封し、アルバムに写真を収めていく。生まれたての写真から、家に帰ってきて沐浴してる姿、ミルクを飲んでいる姿。

 ああ、懐かしい。愛おしい。おちびは今は小学三年生になり、少しずつ収められてゆく彼女自身の過去の記録を私と一緒に眺めてくれる。写真の中のおちびも、今隣にいるおちびも、同じ生命。不思議だ。とても大きくなった。これからも大きくなってゆく。
このまろやかな満たされた気持ちはさざなみのように私の胎内で今もゆらゆらと揺蕩っている。

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