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成城石井で宝探しと自分探し

ピンクのカゴに次々と食料品を放り込む。

ものの20分足らずで

成城石井における爆買いが完成していく。

と同時に、

その行為そのものが

自分自身への誕生日プレゼントとなっていく。



いや、わたしは驚いた。

自分自身に驚いてしまった。

何に驚いたかって、新婚旅行で訪れたイタリアで気合をいれて清水買いしたグッチのバッグ買った瞬間より心躍ったんだからびっくりした。

もうハッとしてしまった。


自分をよろこばせるってこれだったかああ!って感じ。



それは自分が本当に欲しいものや幸せに感じる瞬間をちゃんと把握して、それを自身に与えることが出来る人のことを指すのだなと心の底から思った。

年に何回出番があるか分からないクローゼットにスタンバるグッチよりも、

ハイレベルにセレクトされた食材の中から“わたし好み”の基準でさらに厳選された商品たちを値段も見ずに次から次へとカゴに積み上げていくことの快感。

それがわたしの欲しかったもの。

その一例①
その②
その③
その④
これなんかもう上に申し訳程度にのってるパクチーのために買ったようなもん


物質的な価値で限定してしまえば現金を包んでもらったり、エステサロンでラグジュアリーな時を過ごしたり、ハイブランドの品を手に入れたりという類とはポジションが違うのかもしれない。

でもわたしにとっては数万円のブランドを一発買うよりもよっぽど満足度が高い行為だった。

そして何より、ただただ楽しかった。


ふと耳を澄ます。


「ネェ、コレマダ イエニアッタッケ?」

「オレノ スキナヤツ、キョウネージャン」

「タマニハ コッチニシテミル?」

あぁ

こちらさんもあちらさんも

みなさん普段使いのスーパーとしての石井さんな訳ね。

でもね、今日の主役は申し訳ないけれど私に譲って下さい。

なんてったって誰よりもカゴ山盛りのぱんぱんにさせて

「老ける」ことに震えるほど悦びながら

買い物してるんだから。




補足

フォーとパッタイがないと分かったときの絶望感。うん。諦めよう。そうよ。この前、漫画で学んだじゃないの。そういう小さな絶望の積み重ねが人をおとなにするのです。







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