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子供の精神的幸福度が低い国、ニッポン

こんにちは。小学校教員のめぐみです。

2020年9月に、ユニセフから発表された報告書があります。
『レポートカード16ー子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か』というタイトルのものです。
日本も参加したのですが、今回はその結果について考えてみたいと思います。


精神的幸福度が38カ国中37位

全ての結果を書くわけにはいかないので、私が気になったところをピックアップしてみました。
まずは、精神的幸福度について。

日本はなんと、参加した38カ国中37位という最下位に近い結果でした。
これについて、教育評論家の尾木直樹さんがコメントを書いているので、一部引用します。

精神的幸福度の低さの背景として、教育政策上の問題が非常に大きいように思います。
日本では、15歳で迎える高校受験によって、子どもたちは偏差値という学力指標だけで振り分けられてしまいます。
思春期という大切な時期を、一貫して成長を促し学力形成していくのではなく、競争原理に基づく一斉主義により序列化するわけですから、子どもの自己肯定感がガタガタになってしまい、幸福感が育たなかったり自分に自信が持てなかったりするのは必然だと思います。

公益社団法人日本ユニセフ協会HPより

このコメントを読んで、私も全くその通りだと思いました。
私も同じ問題意識をもっており、前にそれについて記事を書いたこともあります。↓

一生懸命に受験勉強をしている高校生を見たりすると、なんだか胸が痛くなります。
あの子たちの心は今幸せかなぁ、辛くないかなぁ、と思ってしまうから。
自分の高校時代がとても辛かったので、重なって見えてしまうんです。

10代後半の瑞々しい感性をもつ時期に、競争原理に基づいた受験勉強に没頭することは、私から見ると幸せから遠ざかる行為だとしか思えません。
多感なこの時期こそ、「世界はもっと広くて面白い」ということを、旅に出たり色んな挑戦をしたりすることを通して学んでいくにふさわしい時期だと思います。
皆さんはどう思いますか?

外遊びが多い子供の方が幸せ

また、残念ながら日本のデータはないものの、「より多く外で遊ぶ子供の方がより幸せである」という結果も出たそうです。
外遊びの機会が、子供の幸福度に関係することがデータとして分かったのです。

さらにこれも日本のデータはないのですが、「地域に十分な遊び場があると答えた子どもの方が、そうでない子供に比べて、より幸せと感じている」ことも分かりました。

この結果を見て、私は「アウトドア・クラスルーム・デイ」という世界的なムーブメントを思い出しました。
これは、子供たちの外遊びの機会をもっと増やそうという取り組みで、全世界の学校に広がっています。

しかし残念なことに、日本で参加している学校はほとんどありません。
ホームページがあるので、気になった方は見てみてください。↓

生活の中に遊びがあることや、遊びを通して学んでいくことは、子供たちにとってとても自然で楽しいことなのだと思います。
日本人は真面目で勤勉なので、勉強というと「机で本を開いてノートに字を書く」といった風景を想像しがちです。
私もまだそういう固定観念に縛られているところがあります。

でも、この学習観や教育観を刷新していく必要があるなと思いました。

子供の幸せのために大人が本気になる

子供たちの幸せのために大人がどれだけ本気になれるか、それが要だなと感じました。
文科省を頂点とした巨大な教育システムを変えていくことは容易なことではないので、まずは子供の一番身近にいる親が変わっていくことが、一番手っ取り早いと思います。
それに関連した記事が他にもあるので、良かったら読んでみてください。

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