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【読書記録】青い真珠は知っている

 自分が小5から中1にかけて夢中になっていたものに、藤本ひとみさんのコバルト文庫の小説がある。
その中に、中学受験塾に通う小学生のシリーズ(KZ少年少女ゼミナールシリーズ)があった。いまから30年以上前の作品である。
私も彼らと同様に中学受験をし、また年代が近いこともあり、親近感をもって読んでいた。
私が通っていた塾では男女の間に溝があり、男女が会話することもなかったので非常に羨ましく思って読んでいた。

そのKZシリーズに登場する男子が本作の主人公である。出版が2015年。友愛クエスト出版から30年以上経つがまだ中学生である。
しかし現代が舞台なのでスマホが登場している。

中学生の頃って、確かに生きにくかったな…と思い出しながら読み進めた。また、憧れる同性の大人の人がいたのも彼らとの共通点だ。

私は中学から女子校に進んだため、その年代の男子がどんなものかわからないので、こんな風に考えているのか…と思いながら読んでいた。

ひとみさんの文章は外見の描写が素敵で、頭の中で自分なりの登場人物を描くことができる。
コバルト文庫ではイラストが想像を補ってくれていたが、本作は挿絵がないので完全オリジナルの想像。それもまた楽しい。

コバルト文庫時代の作品も子供向けとは言え読み応えがあったが、本作も読み応えがありとても面白かった。
シリーズ完読を目指したい。



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