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命を掛けた大手術が成功!

里親になった私がすべきことはただ一つ動物病院に行くことです。

 すぐにメグの手術をしなければいけませんでした。私は保護猫関係の団体に入っていましたのでそこでお世話になっている獣医さんの所へ行きました。
 動物病院の院長先生でしたし、他の方から腕は確かだと聞いていたので安心してその先生にお任せしようと思ったからです。


 ところがメグを診察してすぐに、「4 kg になるまで手術はできません」という驚きの言葉が返ってきました。メグは栄養状態がとても悪いので手術に耐えられないだろうということでした。栄養をつけて手術に臨みましょうというのが先生のご意見でした。

 保護された時は4,16 kg、獣医さんのところで測った体重3,75 kg。4ヶ月の間に400 グラム以上も体重が減っていたのです。

 私は思いました。こんなに小さなメグ、しかも体中に病気のあるメグが250グラムも体重を増やして手術できるようになるまでにどれぐらいの日数がかかるのだろう。

私は先生に、「手遅れになる前に4 kg になれるでしょうか。」と質問しました。
先生の答えは、「分かりません」でした。

 私は獣医さんの言葉にとても腹が立ちました。精密検査もしないままメグの運命を決めてしまったようで、とても腹が立ったのです。

 お会計を済ませて診察券を受け取りました。白い紙の診察券でした。私は受付の方に見えないところでビリビリに破いてすぐにゴミ箱に捨てました。

 もうこの病院には二度と来ない。メグを手術してくれる先生を世界中を走り回ってでも探す!

そう心に決めて病院を後にしました。

 私に与えられた時間はとても短かいと分かっていました。

1日に何件も電話をかけて獣医さんを探しました。友人にも知人にも親戚にもご近所の方にも、この人と思える人には全て、「良い獣医さんをご存じないですか」と尋ねました。

 焦り始めていた頃、母の友人から評判のいい獣医さんを知っているとの連絡が入りました。私はすぐにメグを連れて行きました。

 その先生は私の話をしっかり聞いてくださって、とにかく精密検査をしてみましょう、そうおっしゃって思いつく限りの検査をして下さいました。

 まずレントゲンを撮ってくださり、CT もエコーもしてくださいました。そして MRI を撮る病院を紹介して下さいました。一刻を争うので時間外に撮っていただくことになりました。

 検査の結果、肺に転移していないので、今の段階であっても手術するメリットはあるということでした。しかしメグの状態からして、最悪のケースも覚悟しといておいてくださいと言われました。

 私は手術して頂けるだけでもありがたいので、先生を信じてお願いしすることに決め、手術の日を決めて家に帰りました。

 腫瘤の数が複数だったので、小さなメグの負担を考えて一回では取らず、複数回手術をすることになりました。結局3箇所にメスが入りました。

 メグは小さな体で度重なる手術に耐えてくれました。私が面会を許されて会いに行った時、まだ手術後それほど時間が経っていませんでした。メグは病室のケージの中で、ぐったりと寝ていると私は思っていました。

 通された病室に行くとケージの中にいる小さなメグを見つけました。メグは4本の足でしっかりと立って前を向いていました。ですが、その目はぼーっと空を見てるように思えました。

看護婦さんが、「メグちゃんはずっとお母さんを待っていたんですよ」とおっしゃいました。

 私はその言葉で涙があふれ、声を詰まらせながら、「メグちゃん、メグちゃん」と言いながらケージに近寄りました。

 私に気付いたメグは私に飛びつこうとしてケージの中でピョンピョンと飛びました。それを見た獣医さんが、「手術したばかりですから動かしてはいけません。申し訳ないですがお母さんは外に出てもらえませんか」とおっしゃいました。

 私は目をハンカチで押さえながら部屋の外に出ました。メグが生きて私の所に帰ってきてくれる。そう思うと胸がいっぱになりました。

 私は神様に何度も何度もお礼を言いました。これほどお礼を言ったことはそれまでの人生にはありませんでした。

 メグが元気になるまでには他の子の何倍もの時間がかかりました。回復したメグは歩けるようになり、お家の中では走ることもできるようになりました。ただ筋肉を一部切り取ったので歩くのが苦手な子になりました。

 それでも毎日元気です。獣医さんから最悪のケースも覚悟して下さいと言われてからすでに2年以上も私のそばにいてくれています。

ここまでお読みくださいましてありがとうございます。






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💗megmama24💗ひな姫💗note大学
愛犬メグは保護犬です。メグの里親になってから劣悪な環境下にいる保護犬・保護猫の存在を知りました。そして、その子達を助けようと寝食を忘れてお世話しておられる方々の存在も知りました。私は少しでも小さな命とそれを守ろうとしておられる方々のお力になれるような活動をしたいと思っております。