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【読了】夫のちんぽが入らない

初版の発行が2017年。3年かかって、やっと手にすることが出来ました。

「絶望の果ての、揺るぎない希望。」

帯にそう書いてあったので、単なるドキドキ下ネタでないことは明らかだったけれど、どうしても買えなかった。タイトルの破壊力が凄すぎて。

* * *

こだまさんの人生がぎっちり詰まってました。お互いに身体を貸している辺りは、ずーんと心が重たくなってしまって、休み休み読みました。他人からは分かりようもない、夫婦の形。触れてほしくない世界。生きにくい毎日。

沈んでは浮上し、また沈んでいく。首を持ち上げると日の光に照らされた水面がきらきらしていて、煌びやかさに恨めしさや諦めを抱きながらも、何かを求めて自ら浮上していく。もがきながら、必死に生きるということ。

静かで、まっすぐに信念を持たれているご主人に、我が夫を重ねました。

子どもたちにおにぎりを握るこだまさんに、我が祖母を重ねました。

昔を思い返して謝るお母さまに、我が母を重ねました。私の母を、もっと理解してあげられていたら……という想いで。


絶望の中を生きて、その後も新しい本を出して下さり、有難うございます。生きていて下さって、よかった。

①夫のちんぽが入らない ②ここは、おしまいの地 ③いまだ、おしまいの地

私は深く考えずに、③→①と読みました。(②はまだ手元にさえありません。)今回の作品がほんとずっしりと来たのですが、その背景も知らずに③について浮足立って感想はがきを投函してしまったことを少し恥じています。これから読まれる皆様は、順番通りに読まれるのがよろしいかと。


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