エンジニアが技術広報として5ヶ月で行った8つの施策と学び
note社で技術広報とエンジニアを兼務して、5ヶ月が経ちました。
2022年6月から正式に技術広報としてのポジションを作ってもらい、働き始めました。実際にやってみるとエンジニアとは違った視点が必要であり、色々とわかったこと / できたこと / 失敗したことがあります。
短い経験ではありますが、技術広報としての知見を共有できればなと思い、記事を書くことにしました。自分で言うのもあれですが、5ヶ月けっこう頑張りました…!
▼この記事を読んでわかること
技術広報がどんなことをすべきかわかる
技術広報の立ち上げでやるべきこと
技術ブログの立ち上げ方
関わった施策を8つ紹介
▼書いてる人
名前:megaya
2年前にnoteに入社
もともとデイリーポータルZなどでライターとしても活動
入社して1年経ったときに、社内のインタビュー記事を書き始める
広報的な活動を強化するために、6月より技術広報を兼務
この記事はアドベントカレンダーに参加しています
技術広報 Advent Calendar 2022の1日目の記事です。オープニングアクトです。カレンダーが公開されてすぐに初日をとりました。勢い大事。
そして、私が個人的にやっている1人で25日書く技術広報 Advent Calendar 2022の1日目でもあります。今日から1人で25日更新していきます。これもまた技術ブランディングの一貫。やるぞ!(更新止まったら色々と察してください)
前置き:技術広報の目的
一番の目的はnote社の技術ブランディングの強化です。
noteというサービス名はエンジニアに認知されている自負はありますが、「noteって良いエンジニアいるよね」「Rubyが強い会社だよね」という技術ブランディングはまだまだできていないのが現状です。
技術ブランディングができていなければnoteで働きたいと思う人は増えていきません。そして、noteというサービス自体をエンジニアの方々に使ってもらう機会も減っていくと考えています。
なので、技術ブランディングをしていくことで、組織をパワーアップさせつつ、サービスのファンも増やしていくことが私のやるべきミッションです。
さて、では具体的に5ヶ月でなにをやってきたのか1つずつ説明していきます。
1. 技術ブログをエンジニアで書く体制の構築
そもそもnote社では技術ブログを書いていくような体制がありませんでした。書いている人はいるけれど、あくまで個々人でバラバラに公開している状態だったのです。
ルールなどをしっかりと制定して、週1で記事を回していく体制を構築していことにしました。
初めに行ったのは、業務時間に技術記事を書いてもOKというルールを会社として設定することでした。
もともと社風的に業務時間に書いてもOKな空気感はあったのですが、あくまで曖昧な部分でした。なので経営層と合意をとり、明確にOKをもらうことにしました。
これらの合意によって、私からエンジニアへ記事執筆の依頼がしやすくなりましたし、エンジニアも記事の執筆をタスクとして上長へ報告できるようになりました。
経営層との合意は、組織のルールとしても気持ちの面でも大事。
技術記事を回すためのルールやレビュー体制も文章化しました。
基本的には私から記事内容を依頼するようにしています。(もちろん他に書きたいネタがあるときなどは別ですが)
エンジニアの中には「なにが技術ネタとしておもしろいかわからない」という人もいるためです。SlackやGitHubを見て依頼をし、記事のアウトラインを私の方でつくることもあります。
また、執筆の前にレビューの強度を執筆者に確認するようにしています。
文章をあまりいじられるのが好きではない人もいるため、どのくらいこちらで編集をするかを事前にヒアリングするようにしたのです。
2. インタビュー記事の執筆
私の場合はもともとライターの経験もあったため、社内のインタビュー記事の執筆も行っています。
インタビュー記事の執筆は社内のエンジニアとコミュニケーションをとる良い機会でもあります。書くことで技術広報としてわかりやすいバリューも示せるので、今後も続けていこうと思っています。
インタビューだけではなく、上記のように私の方で技術記事を書くこともあります。企画を立てる→30分エンジニアに話を聞く→それをもとに記事化という流れです。
エンジニアのコストを最小限にして技術記事を出せるのでおすすめです。
また、技術広報になって初めてPR TIMESでプレスリリース記事も書きました。
通常の記事とは違って、PRを意識(他社とのリレーション)をする必要があり、作法がまったく違うことを知りました。技術広報にならなければ知らない世界でした。
3. 協賛イベント
RubyKaigi、Kaigi on Rails、プロダクトマネージャーカンファレンス、PyConJPなど様々なイベントに協賛しました。
イベントの現地に行ってわかったのですが、やはり技術ブランディングをするうえで協賛イベントは欠かせない存在です。参加しているエンジニアの熱量が高いですし、コミュニティのコアメンバーと一気に会える機会もなかなかありません。
あと、単純にイベントに参加するのはめちゃくちゃ楽しいです。社内のエンジニアメンバーと一緒になってブースを盛り上げていくのは心地よい体験でした。他社のエンジニアと1日であんなに話せる機会もありません。
ただ、イベントのブースの企画を考えるのが本当に難しかった……!
グッズ制作だけでも考えることが山ほどあり、正解が未だにわかりません。
エンジニアがもらってうれしいものは?
SNSでシェアしてもらうためにやるべきことは?
ノベルティグッズを渡すだけでブランディングになる?noteの技術ってグッズで認知される?
長く愛用できるもののほうがいいのでは?
でも結局ノベルティグッズって捨てられてしまうのでは?
おもしろいものをお金かけて作って自己満足になっていない?
グッズ制作やブースの企画については、成功 / 失敗が如実にわかったので、別記事で細かく書きたいと思っています。
4. 福利厚生の新設
今年からnoteの福利厚生が大幅にバージョン・アップしました。
新しく追加された制度の1つであるテックチャレンジ補助(技術研鑽に年12万の補助)のルール設計を私が担当しました。
福利厚生のルール決定は様々な部署の人間が関わります。経営層や人事、PR、労務などなど。エンジニアの都合だけでは決められないことが多々ありました。
「会社ってみんな色々考えて動いているんだなー」という新卒1年目のような感想を持ちました。どの部署もみんな大変。
5. Podcast
社内のエンジニアとトークするPodcastの運営 / 企画を担当しています。
Podcastは大きくバズるなどはありませんが、面接中のエンジニアが社内の空気感を感じられる貴重なタッチポイントです。実際にnoteに入社したエンジニアから「聴きました」と言ってもらえることが多々ありました。
ただ、現状は更新が止まってしまっています……
今期からは定期的に再び行っていく予定です……!
6. 社外配信イベントの実施
配信で行う社外イベントの企画を行っています。
社外イベントもPodcastと同じく、会社の空気感がわかる貴重な機会です。
今期からはバージョンアップして、他社と合同でオフラインイベントも行っていく予定です。
7. カジュアル面談
私自身が行っている施策とはちょっと違うのですが、カジュアル面談に参加するようになりました。これが本当に良い経験になっています。
noteに来てくれるエンジニアが何を求めているのか肌で感じ取ることができますし、自分の口でサービスや組織を説明することで会社に対する解像度が上がりました。
技術広報に限らず、技術的なPRに携わる方は、1度でもいいのでカジュアル面談にでることをおすすめします。
8. アドベントカレンダーの実施
今年はnote社として初となるエンジニアだけのアドベントカレンダーを実施することもできました。やったぜ!!
いろいろやってみて
(↑社内のエンジニアに書いてもらった記事)
施策をいくつかやってみて一番良かったのは、社内のエンジニアに技術広報として認知されたことです。
技術的な情報が私のもとに集まってくるようになり、記事やイベントなどエンジニアから相談がくるようになりました。今期はさらに動きやすくなるのではないかと思っています。
ただ同時に、「エンジニアと技術広報を兼任して続けるのこれ以上は無理じゃね?」ということにも気づきました。仕事のスイッチの切り替えがうまくいかず、実際に迷惑をかけることが多々ありました。本当に申し訳ない。兼任で技術広報やっている人たちすごい……
これからやるべきこと
冗談でもなんでもなくやるべきことは腐るほどあります。「なにをしようかな」ではなく、「1年間でどの施策ができるんだ?」と取捨選択しなければならない状態です。
また、前期は「技術広報としていろいろやってみた」というパートだったので、今期は「どれが効果があって、どれをやるべきなのか」を明確にしなければなりません。目的設定も再度しなければなりません。
よっしゃー!やることいっぱいあるぞ!今期はがんばるぞ!!!!
ということで、決意を新たにして、今期から私はエンジニアとの兼務を辞めて、技術広報だけで働いていくことになりました。12月1日からのスタートなので、今日から技術広報1本です。この記事を12月1日に公開できたのも、振り返りのタイミングとしてよかったのかなと思います。
技術広報としてまだまだ未熟ですし、noteの技術ブランディングが成功している状態には程遠いかもしれません。ここからさらに様々な施策を続けていき、バリューを発揮していきたいと思います。
▼技術広報アドベントカレンダーに参加しています
▼1人で技術広報の記事を25日書くアドベントカレンダー
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