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久しぶりにジャンプを紙で買った。

なんとなくジャンプをコンビニで買ってみた。最近、漫画はすべて電子書籍で買っているのだけれど、なぜか衝動的に紙で読みたくなった。ハイキューというバレーボール漫画の最終回を早く読みたいという気持も引き金になっていたのかもしれない。

会計するときに値段が300円で驚いた。小学生のときはジャンプは200円ちょいだったはず。気づかないうちに料金が100円近く上がっていた。

コンビニから家に買えるまでの間、今週のジャンプのことで頭がいっぱいになった。初めて漫画を買ったときのように胸が高鳴った。いつもより足が軽やかに感じる。

家に着いてジャンプを開いてみると、ふわっと紙とインクが入り混じった匂いがした。紙の雑誌を買ったことを嗅覚で改めて実感する。

読んでいるときに腕が疲れてきた。重い。ジャンプってこんなに重かったのか。中学生、高校生くらいのときはコンビニで立ち読みをしていたが、重さなど意識したことがなかった。よく何十分も立ち読みできたものだ。

紙で買うと目的としている漫画以外のページもなんとなく読んでしまうことに気づいた。新人賞の応募だったり、読者のハガキページだったりもなんとなく目を通してしまう。昔は暇だったから隅から隅まで読んでいたことを思い出す。読者投稿の大喜利とかがけっこう笑えることもあって楽しみだった。

ひさしぶりに巻末の作者コメント一覧を見た。昔と比べると当たり前のように漫画は様変わりしている。新しい作者もどんどん増えている。

ブリーチ、ナルト、シャーマンキング、いちご100%、ピューと吹くジャガー、 世紀末リーダー伝たけし……

学生時代に読んでいた漫画を思い出す。もう残っているのはワンピースだけになってしまった。そのワンピースもあと数年で終わるだろう。

よくネットでは「昔はこんなに名作が多かった。今のジャンプはクソだ」ということが書かれるが、そんなのは当たり前のことである。これから名作になるかもしれない作品が今載っているのだから。そういう人は10年後に、今のジャンプを指して同じセリフを口にするのであろう。あの頃はよかった、と。

今のジャンプも充分におもしろい。最終話だったハイキューはジャンプ史上に残るスポーツ漫画だと思うし、チェンソーマンは予測不能な展開でありながら爽快感と不快感を合わせもった絶妙な作品だ。終わってしまってはいるが鬼滅の刃は社会現象にもなった。

僕のように学生時代から変わらず読み続けている層はいるのだから、少なくとも最低限のおもしろさは今も維持しているのだとは思う。(当然、波はあるが)


読んでいて「いずれは紙の雑誌もいずれはなくなるんだな」と思った。現に僕も電子書籍に移行しているわけだし。やっぱり紙は重いし捨てるのに手間がかかる。

ただ、今でもコンビニで立ち読みしている層は一定数いると思うので、紙を廃止すると読者層は一気に減ってしまうのかもしれない。印刷会社とか広告会社とか諸々の大人の事情もありそうだし、今すぐなくなるということはないと思うが。


紙でたまに読むのも悪くない。電子書籍で読むのとはまたちがった味わいがある。見開きのページはやっぱり迫力があるしね。ワンピースみたいにキャラ数が多い漫画は雑誌だと見やすい。


連載している漫画はほとんど変わってしまっているけれど、おもしろい作品をバンバンと産み出しているのは漫画好きとしてジャンプは本当にありがたい存在だ。

どんどんと連載陣は変わってしまっていく中で、唯一昔から今でも変わっていないのは巻末の「今週のHUNTER×HUNTERは休載です」という文章だけである。



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