【マレーシア生活】入院中の出来事 #1
これは、2024年5月3日、脳梗塞の疑いで救急車で搬送され、マレーシアのローカル病院に入院した時の記録。
⚫︎お婆ちゃんに会うまでの流れ
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5/3、救急車で運ばれ入院(MRI×2撮影)
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5/4、さらに精密検査(心臓+目)
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5/5、検査結果報告+退院を告げられる
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病室の隣のお婆ちゃんと友達になる。
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【中華系マレーシア人のお婆ちゃんと友達になる】
入院三日目(午後15時)
2回目のMRI検査の結果待ちで、病室の天井を見つめていると、隣から「Hello!!」と声が聞こえた。
そっと覗いてみると、昨日まで隣に居たはずのインド系女性が居なくなっていて、別の方に入れ替わっている。
そこには中華系マレーシア人のお婆ちゃんが居た。
お婆ちゃんに「貴方何人?」ときかれたので、日本人ですよ。と答えると
「私日本人大好きなんだよ。可愛いし美人だから、とにかく仲良くしてね」と言い、中国語で沢山話しかけてきた。
お婆ちゃんは私を歓迎してくれて、お婆ちゃんの息子さんに私を紹介したいようだった。
「息子が貴方に英語を教えてあげるから、私の息子に会って欲しい。」
そういってお婆ちゃんは ワッツアップ(ラインみたいなアプリ)を開き、個人情報がいっぱいの画面を私に見せてくれた。
私の名前すら知らないのに、私が日本人というだけで信頼してくれるお婆ちゃん。
そして、息子さんの電話番号を教えてくれた。
お婆ちゃんは息子さんに電話をかけ始めた。
息子さんとの会話が盛り上がっている。息子さんは英語の教師なのだろうか?
電話が終わると、お婆ちゃん「息子も貴方に英語教える気満々だから、後で息子にメッセージでも送っといてね。」と言われた。
お婆ちゃんと出会ってから数分なのに、私を家族のように受け入れてくれる。
その後、私は自分のベッドに戻った。
しばらくすると、隣から2人組の女性の声が聞こえた。
お婆ちゃんとのところには面会に沢山の人が来るようだ。
2人組のうちの1人が私に話かけてきた。
「エクスキューズミー」
そこには、オレンジ色の服を身にまとった僧侶(お坊さん)がいた。
女性のお坊さんが椅子を指さしている。
どうやら、椅子が1つ足りなかったようなので、「どうぞどうぞ持って行ってください!」と椅子をわたした。
すると「サンキューなんちゃらかんちゃら〜」と深くお辞儀をして戻っていった。
お婆ちゃんとは、どのような知り合いなのだろう。
お婆ちゃんはいったい何者なんだろう。
しばらくして、僧侶と入れ替わり、また別の人の声が聞こえてきた。
おそらくお婆ちゃんの娘さんだと思う。
大きな声でお婆ちゃんと会話をしている。
会話が終わったあと娘さんが席をたった。
すかさず、お婆ちゃんから「Hello!!」と呼ばれる。
お婆ちゃんはトイレに行きたいらしい。
ベットを低くしてほしい様子。
ナースコールをしようか迷ったけど、頼まれたので調節してあげようと思い、お婆ちゃんのベッドの横で、下げるボタンを探していた。
そして、お婆ちゃんのベット調整しているところに娘さんが戻ってきた。
こんにちは〜。と挨拶をしてみたものの、
娘さんは「だれ ⁉︎」というような顔をしてこちらを見ている。
その表情から、驚き・怖れ・不安間が感じられた。
ずっとカーテンを閉めきっていたので、娘さんは私がこの部屋の患者である事を知らない。
お婆ちゃんが「ジャパニーズ!!」と娘さんに伝えたが、日本人というだけで娘さんの不信感は取り除かれない様子。
とりあえず「お婆ちゃんがトイレ行きたがってますよ。」という詳細を伝え、看護師が来てくれたので私は自分のベットに戻った。
ひと段落ついて、娘さんとお婆ちゃんが楽しそうに話す声が聞こえた。
後から、お婆ちゃんが私の事を紹介してくれたようで、娘さんも優しくしてくれた。
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時効は午後16時半。
私の脳のMRIの検査結果を知らされ
本日、退院して良い事になる。
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【お婆ちゃんからのプレゼント】
待ちに待った退院の報告でテンションが上がる。「よし帰るぞ!」と思ったのもつかの間。
また、お隣から「Hello!」と呼ばれる。
お婆ちゃん「今日は病院の夜ごはんをキャンセルしてね。」
一瞬何の事か分からず動揺したが、どうやら今晩、お婆ちゃんのご家族が病室に集まり皆で夜ご飯食べるので、私も参加して欲しいという事だった。
中華系マレーシア人の食事は大人数でする事が多く、特に家族を大切にする文化だ。
その家族の輪に私も入れてくれようとしている。
お婆ちゃんの優しさに、退院する事を言い出しにくくなってしまった。
「あのう、お気持ちはうれしいのですが、今日私は退院するんです、もう帰らないと」と伝える。
お婆ちゃん「え!今日退院するの? でも、貴方の分の料理は既に手配したのよ。私の息子は腕の良い海鮮料理のコックさんだから貴方の退院祝いとしてお寿司をご馳走させて!」とのこと。
私の分まで頼んでくれてるなら、断るのは失礼なのでお言葉に甘えよう。
19時までに来るので食べれない場合は持って帰って欲しいとのことだった。
息子さんは英語の教師じゃなくコックさんだという事が分かった。
それから、待つこと2時間半…
待っている間、お爺ちゃんが来たり、別の娘さんらしき人が面会に来ていた。
しかし、お寿司を取りに行った娘さんが戻らない。
時効は19時半。
待ちかねたお婆ちゃんが、娘さんに電話をし始めた。
どうやら、何かトラブルがあったような感じで、お婆ちゃんの声が大きくなっていく。
会話の合間に「Sushi!!!」という言葉が何度も響いた。
よほどお寿司が好きなのか、または、私に息子がにぎった寿司を食べさしてやりたい、と思っているのか、多分その両方だと思う。
電話が終わると、婆ちゃんが申し訳なさそうに「まだ娘がお店にいて、もうちょっと時間かかるんだけど、待っててね。」
どうしても、私に寿司を食べさせたい事が伝わってくる。
時刻は午後20時。
退院は確定しているけど、ここに居て大丈夫なのだろうか?
そうこうしていると退院するはずの私の元に、病院の夜ご飯が届けられた。
これは、食べていいのだろうか。
さすがに、看護師に確認する事にした。「すみません、今日退院と言われたのですが、晩御飯が届けられました。これはどうしたら良いですか?」と聞くと「食べて良いですよ」と言われた。
お婆ちゃんも「食べたら良いよ。寿司はお持ち帰りにして持っていってよ!」と言ったくれたので、病院の夜ご飯を食べた。
この日の病院食は今までの中で一番おいしかった。
時効は午後21時。
ようやく娘さんがお弁当袋を抱えて戻ってきた。
お婆ちゃんから聞いていたのか、すかさず私にお弁当を渡してくれた。
「ありがとうございます」お礼をいうと娘さんは何故か申し訳無さそうにしている。
わざわざ、お弁当までいただいてすみません。お婆ちゃんにも丁寧に挨拶をした。
帰る準備をしていると、お婆ちゃんが何やら眉間にシワを寄せながら娘さんと揉めている様子で「寿司ー!」と叫んでいる。
何があったんだろう?
お婆ちゃんが不安な顔で私を見つめているけど、とりあえず、お婆ちゃんに頭を下げて病院を後にした。
午後22時半、帰宅。
お婆ちゃんからもらった、寿司を開けてみた…
寿司!?
どう見ても、オムカレーライス弁当だ。
隣にマヨチーズが巻かれた巻物があるが、寿司とはこれの事なのか?
色々ツッコミどころ満載だ。
お婆ちゃんの「Sushi~」の声が頭に響き渡っている🍣
でも、本当にお婆ちゃんが私にくれたものは、お婆ちゃんが私のためにお弁当を用意し、日本人の私を歓迎してくれた優しさだ。
ほっこりした気持ちで、お弁当を温め同居人と一緒に食べた。
既に、病院のご飯は食べてきたので、私は味見だけした。
付け合わせに入っている鶏唐揚げに見えるものは、魚介風味の小麦粉の塊だった。
色々あったけど、人のあたたかみを感じた一日だったなぁ〜。
翌日…
強烈な食中毒にみまわれた。
どうか、お婆ちゃんが無事でありますように。
お弁当じゃない事を祈ろう🙏
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