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日々好物 vol.11

#けん玉


5月14日は「けん玉の日」だそうです。知らなかった…

けん玉、やったことありますか?

日本一周、世界一周、はたまた宇宙一周なんて技もあるようですが。


「日本けん玉協会」のホームページによると

https://kendama.or.jp/archives/history/

けん玉はもともと、16世紀頃から世界各地で遊ばれるようになり、日本でも江戸時代頃は、紐でつないだ玉を受け皿へ入れる遊びだったそう。

それが、いまの形のけん玉になったのは、大正時代のこと。当時は「日月ボール」と言ったそうです。

競技用のけん玉は、細かく規格が決められ、繊細な技をこなせるように改良されたものだそうですが、

写真のような、民芸品としても楽しめるけん玉は、子供のおもちゃや飾りとして、一家にひとつは置いてあったかもしれません。

我が家にも、同じような縞模様のけん玉がありました。


おもちゃを買ってくるのは、
だいたい父でした。


今なら分かりますが、

「子どもが喜ぶから」という理由で

大人が遊びたくなるアレです(笑)


父は、日本一周ほどではないにしても、それぞれの皿やけん先には玉を載せられるレベルでした。
それを、端で見ていて何となく私も、真似し始めたんだと思います。

「膝のクッションをつかう」とか
「下からもらいに行く」などといったコツを
私は父から伝授されました


かと言って、さほど上達したわけでもありませんが、一回でそれぞれの皿やけん先に入れられるほどの腕前にはなりました。


大皿と中皿を「もしもしかめよ」の歌に合わせて行き来する「もしかめ」も、多少やり直しをしながら通せるくらいにはなりました。


それくらい練習すると、おもちゃのけん玉には、あちこちに傷が目立ってきます


玉の塗料が皿のヘリに付き、

とがっていたけん先が鈍くなり、

無数の傷で玉の表面がデコボコにけずれ、

けんと玉をつなぐ糸がこすれ、

皿の表面が磨かれて黒ずんできます


玉以外はほぼ白木の競技用けん玉にはない、

練習の跡をそのまま留めるデザインが

おもちゃ用けん玉にはありました


今も、勤めているデイサービスには

亡くなった利用者さんが置いていってくれたけん玉があります


その、縞模様のおもちゃけん玉には

無数の傷がついていて

紐は一度切れてしまって、
別のを継いであって
ちょっと短いから
技はかけにくい


でも、手にとって、
玉の表面の傷に触れたり
遊んでみたりするたびに


その利用者さんの
話し声や
笑顔や

けん玉をいじっていた姿が思い返されて


あのときの傷も、このけん玉のどこかに刻まれているんだと思うと


傷の一つ一つが、とても懐かしく
いとおしくなります


けん玉の傷は、努力の証


けん玉の傷は、楽しんだ証



※写真はseikoalaさんからお借りしました。ありがとうございます。

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