思い出の漫画について。
小さい頃に読んだ漫画は、特別だ。
私はたぶん、人生を通じて、あまり多くの漫画を読んできたとはいえないと思います。
どちらかといえば、漫画よりも活字本に時間を費やしてきました。
友人たちが『鬼滅の刃』や『キングダム』の話で盛り上がっているとき、私は話の内容がわからず、ただただ想像を働かせていました。
それでも、小さい頃に大好きで、何度も繰り返し読んだ思い出の漫画があります。
物心ついたときから実家に置いてあって、紙がヨレヨレになるまで読み漁った、思い出の漫画たち。
もう十数年も前に読んだ作品なのに、今でも好きなシーンをはっきり思い浮かべることができる。それくらい、私の頭に刷り込まれている漫画たちです。
皆さんにも、そういう思い出の漫画はありますか?
ぜひ皆さん自身の思い出の漫画を思い浮かべながら、読んでいただけると嬉しいです。
思い出の漫画について。
■姫川明|ゼルダの伝説シリーズ
姫川明さんの『ゼルダの伝説』は、非常に思い出深い漫画のひとつです。
特に『時のオカリナ』は大好きで、何度も何度も読みました。
当時小学生だった私にとって「ゼルダの伝説」は、マリオやカービィ、ポケモンなど他の作品に比べて、ほんの少し大人の世界に足を踏み入れているような、少し背伸びして読む漫画でした。
ゲーム「ゼルダの伝説」シリーズも、マリオやカービィといった任天堂作品と比較すると、謎解きの難しさやダークな要素などもあり、大人な世界観が特徴です。
ゲーム「時のオカリナ」でも、奇声を上げながら近寄ってくるリーデットという敵キャラや、攻略本を読んでも攻略できない水の神殿など、トラウマ要素が結構あったのを覚えています。
姫川明さんの『ゼルダの伝説』は、ゲームのストーリーに忠実に、リンクの冒険が漫画になっています。
子供の頃にゲームをプレイしたことがある人は、当時を懐かしみながら読み進めることができると思います。
絵柄がとても綺麗なこと、リンクが感情表現豊かな主人公として描かれていること(ゲームだと無口・無感情にならざるを得ない)が、個人的なおすすめポイントです。
現在は【完全版】という合本版も発売されていますので、ぜひチェックしてみてください。
■ひかわ博一|星のカービィ 〜デデデでプププなものがたり〜
「星のカービィ」の漫画はたくさんありますが、私が小学生の時に読み漁っていたのは、ひかわ博一さんの作品でした。
『星のカービィ 〜デデデでプププなものがたり〜』は、小学校低学年の頃の私を虜にした、思い出深い漫画作品です。
こちらの表紙を見ていただけるとわかるかと思いますが、絵がめちゃめちゃ綺麗です。様々なコピー能力のカービィが大写しになった綺麗な表紙は、子供心を掴んで離しませんでした。
ひかわ先生の描くカービィは、おめめが大きくキラキラしていて、とても可愛いのです。「ペポ」という語尾も可愛くて、私の中でカービィはペポペポ喋るイメージで定着しています。
小学校低学年のとき、仲の良かった友だちから「もう読まないからあげる」と本作の17巻をもらったという思い出もあります。
喜んだ私は早速その17巻に自分の名前を書いたのですが、私が勝手に漫画を自分のものにしてしまった(しかも名前まで書いて)と勘違いした母親に、すごく怒られた記憶があります。
ひかわ先生の『星のカービィ』シリーズ、なんと累計1000万部以上とのこと。とんでもない人気です。
連載はかなり昔に終了していますが、現在は【傑作選】が発売されているようです。こちらも表紙がめちゃめちゃ可愛い……思わず買ってしまいそうです。
■吉崎観音|ドラゴンクエストモンスターズ+
私は、「ドラゴンクエスト」シリーズのゲームが大好きです。
特に、敵キャラであるモンスターを仲間にできる「モンスターズ」シリーズの世界観が好きで、ゲームボーイカラー発売されていた「テリーのワンダーランド」を、子供の頃にひたすらやりこんでいました。
『ケロロ軍曹』で知られる吉崎観音さんですが、ドラクエのモンスターズシリーズを題材にした『ドラゴンクエストモンスターズ+』という漫画も描かれていて、これがめちゃめちゃ面白いのです。
20年以上前の漫画作品ですが、いまだに色褪せない魅力があります。ドラゴンクエストシリーズファンなら、間違いなく楽しめる傑作だと思います。
吉崎先生の作品なので、絵柄が綺麗なのは言わずもがな(ここまで振り返ってみると、私は子供の頃から、絵柄が綺麗な漫画が特に好きだったようです)。
本作はとにかくストーリーがすごい! ちょっとだけ語らせてください。
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舞台は、ゲーム「テリーのワンダーランド」から少しだけ後の時代。主人公のテリーが「邪配合」という悪の力に取り憑かれ、闇堕ちした世界線が描かれています。
その世界の救い手として「クリオ」という少年が選ばれ、かつてテリーの仲間だった最強スライム「スラお」や仲間たちと共に、旅の扉の世界を冒険して、モンスターマスターを目指します。
『ドラゴンクエストモンスターズ+』は、このモンスターズシリーズの世界観に、無印ドラゴンクエストシリーズのストーリーがクロスオーバーするところが激アツなのです。
例えば最初の冒険では、勇者がたったひとりで魔王「りゅうおう」を討伐するという「ドラゴンクエスト1」のストーリーが融合し、クリオがドラクエ1の勇者と出会って冒険を共にする展開になります。
特筆すべきは「ドラゴンクエスト2」とのクロスオーバー。ドラクエ2で終盤に訪れるロンダルキアという地方を舞台に、クリオの冒険と並行して、ドラクエ2の勇者たちの戦いが描かれます。
勇者「ロラン」と、邪配合によって蘇ったかつての中ボス「バズズ」の戦闘シーンは、ドラクエシリーズファンなら必読。
私はその戦闘シーンに出てくる、「破壊神を…破壊した男」という文言が忘れられません。
かつて最強の破壊神シドーを倒した勇者。しかしそれはすなわち、破壊神よりも強大な力を持つ存在が、この世に誕生したことを意味するのではないか……?
ゲームシリーズでは当然の如く「善」の存在として登場する勇者ですが、別の見方では一転して恐ろしい存在になりうるという事実に、子供ながら衝撃を受けました。
残念ながらこの『ドラゴンクエストモンスターズ+』、ドラクエ2の世界まで描いたところで連載が終了してしまい、クリオたちの冒険の続きを読むことはかなわなくなっています。
願わくば、ドラクエ3以降の世界の冒険と、クリオとテリーの戦いの行く末を見届けたい……!
現在は【新装版】が出ており、AmazonのKindleなどで読むこともできます。気になった方はぜひチェックしてみてください。
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