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2023年7月の記事一覧
#11 太宰治全部読む |匣の中に、希望は残されている
私は、太宰治の作品を全部読むことにした。
太宰治を全部読むと、人はどのような感情を抱くのか。身をもって確かめることにした。
前回取り上げた『惜別』では、第二次世界大戦によって日本文壇が衰退する中、太宰が何を願いながら小説を書いていたのか、想いを馳せる読書だった。
第11回目の今回は、『パンドラの匣』を読む。
本書に収められている「正義と微笑」と「パンドラの匣」はいずれも、太宰が知人の日記を